HAND x HAND GLORY's


act5 剣士

翌朝、早くに宿を出た一行は、目的のモンスターが生息する場所へ向かう。
今回の捕獲ターゲットはカリュウス。
レイザース領カンサーにしか生息していない、珍しいモンスターだという。
家から滅多に出ない貴族が何故、珍獣の存在や住処を知っているのかというと、そうした生き物を研究している機関がレイザース内にあるからだ。
機関誌の情報によるとカリュウスは狼のような外見で、危険クラスの猛獣であるらしい。
長く保護ハンターをやっている斬でも、まだ目にしたことのない珍獣中の珍獣である。
「そんなのペットにしたら、命がヤベーんじゃねッスかね」
呟くジロへ、斬が頷く。
「それは先方も重々承知だ。故に、このような道具を渡してきた」
荷物から取り出したのは首輪だ。ベルトに四角い機械がついている。
「この装置をオンにすれば、モンスターを屈服させる音波が放たれる」
「なるほど、力づくで我が物にするんですね!」
スージは感心し、ジロがぼそっと「人間にも使ってそうで嫌ッスねぇ」などと嫌なことを呟いたが、斬は聞こえないふりをした。
モンスターの生息範囲内に入ったのだ。
「ここからは静かに行動しろ。連中の巣穴が近い」
カリュウスの住処は四方を岩山で囲まれた、荒野地帯にある。
彼らは砂地を掘り、穴の中で暮らしている。
早朝と深夜、餌を取りに表へ出てくる。その時が狩りの狙い目だ。
まだ早朝、しかも荒野ということもあってか周辺は静まりかえり、何の音も聞こえない。
小鳥のさえずりさえも。
不気味なほどの静けさに、自然とジロ達三人もおしゃべりをやめて、こわごわ辺りの様子を伺う。
なにしろ周り一帯砂地だ。
モンスターの巣穴が何処にあるかなど、初めて来た場所で判るはずもない。
心なしか空気まで尖っているような気がする。
突き刺さる寒さに、スージは両手で己の腕をさする。
――カサ、という小さな音を斬の耳が拾った。
「そこか!」
飛び出したのは、斬だけではなかった。
ほぼ同じタイミングで、岩陰から飛び出した黒い影が同じ場所へ走っていく。
「ギャアァァッ!」と荒々しい獣の鳴き声に、思わずジロ達は身を竦めた。
「――チィッ」
舌打ちをして飛びずさる相手を、斬は対面で盗み見る。
どこかで見た事があると思ったら昨日、宿の風呂場で出会った男ではないか。
左右で違う目の色なんて、そうそういない。
「逃がすかよ!」
男は叫び、両手をガシッと組み合わせる。
何をするのか気にはなったが、男ばかり観察している場合でもない。
カリュウスは斬が予想していたよりも、ずっと小さくすばしっこい生き物であった。
このままでは巣穴に逃げられる。
直線に追いかけても、急なターンで抜けられてしまう。
こちらとて小回りは効く方だが、カリュウスのそれは斬を大きく上回った。
さすがは野生のモンスターか。
それにしても、獰猛だって?どこが?
先ほどからカリュウスはチョコマカ逃げてばかりで、攻撃を仕掛けてきそうに見えない。
息があがるほど駆けずり回されているのも久しぶりだ。
ここらでルリエルが気を利かせて足止めの魔法を、かけてくれないものか。
「いくぜ!旋風ッ」
後方で男が何か叫び、斬の横を凄まじい勢いで突風が走った――かと思うと、風の勢いが目の前でパァン!と四散する。
「何ッ!?」
驚いたのは斬だけではない。男もだ。
何故なら、次の瞬間にはカリュウスが「ギャウン!」と叫んで、突然ひっくり返ったのである。
「なんだ……何をした?」
モンスターは電撃でも食らったかのように、ピクピクと痙攣している。
ゆっくりとルリエルが近づいてきた。
「魔法か?」と尋ねる斬へコクリと頷き、ルリエルは動けないカリュウスの毛並みを、そっと撫でる。
「お、おい、危ないぞ。そいつは牙が鋭いんだ」
声をかけてくる男へ、逆にルリエルが問いかけた。
「あなたの魔法では、この子を殺してしまっていた。殺すつもりだったの?」
「い、いや」
男は首を真横に振って否定すると、言い返す。
「足を止めるつもりだったんだ。怪我させても治せば済む話だろ」
「足止めするなら、怪我させなくても出来るでしょう?」
ルリエルに咎めるような目で見つめられ、男が視線を外したのをきっかけに、ちゃっかり岩陰に隠れていたジロ達三人が、こちらへ近づいてきた。
「あんた、何者ッスか?俺達の捕獲に、いつの間にか混ざってっけど」
ジロの誰何に男が応える。
「悪かったな。たまたま、あんたらと獲物がかぶったみたいで」
男はソウマと名乗り、名刺を斬へ渡してきた。
名刺には『珍獣研究機関・ポトグラフィー』と書かれている。
目で問う斬に「俺の雇い主さ」とソウマが答え、未だ動けないカリュウスを顎で差す。
「機関の連中に頼まれて、時々こうして野生のモンスターを捕獲しているんだ。だが、まぁ、生け捕りは正直あんま得意じゃなくてね。峰打ちしづらい場合は魔法で動けなくするってのが、俺のやり方だったんだが……」
では、先ほどの突風は彼が放った魔法だったのか。
そいつを、ルリエルが魔法でかき消した?
魔法を魔法で打ち消すのは珍しくない行為だが、相手が何を唱えているのか判らなければ消しようもない。
たったあれだけの短い時間にルリエルはソウマの魔法を看破し、さらに防衛策を立てたことになる。
そればかりではない。ソウマの魔法を止めた上で、モンスターも倒している。
恐るべき洞察力と先読み能力だ。
戦力になればと期待していたが、まさか此処まで役に立とうとは。
「驚いたぜ。まさか、俺の魔法を打ち消す奴が現れるとはな」
ソウマの目がチラリとルリエルを捉え、すぐに斬へと視線を戻す。
「あんたらこそ、何者だ?何故、あれを狩りに来た」
「俺達は保護ハンターだ」
斬は名乗りをあげ、さりげなくルリエルを庇う位置に立った。
「あぁ……」
少し考え、ソウマが頷く。
「稀少モンスターを捕獲するギルドがあるってなぁ、あんた達の事だったか。へぇ、本当に存在していたんだ」
じゃあ、と続けて尋ねてくる。
「生け捕りが専門なら、俺の代わりに機関へ手を貸しちゃどうだ?話なら俺がつけてやってもいいぜ」
「いや」
短く断り、斬が言う。
「機関と貴族、どちらの払いがいいかは貴殿にも判るはずだ」
「まぁな」と苦笑し、ソウマも肩をすくめた。
「珍獣じゃなかったら、俺だって機関の手伝いをしようなんて思わないさ」
「珍獣と戦いたかったの!?」
驚くスージを一瞥すると、ソウマは素直に頷いた。
「そうだ。傭兵になってみたものの、俺と対等に戦える犯罪者が案外少なくてな……たまに強そうな同業者を見つけても、金にならないから対戦はお断りって言われちまう。珍獣捕獲は、腕試し代わりに引き受けてやっているようなもんだ」
傭兵だったのか。
それにしては剣も銃も持っていないし、鎧も防御服も着ていない。
魔術師なのか?と尋ねれば、違うとソウマは首を振る。
「俺は剣士だ」
「剣も鎧も持ってないのに、どの辺が剣士なんだよ」
ジロが指摘すると、ソウマは頭をかいた。
「今日は魔法だけで戦ってみようと思ったんだ。だから剣は家に置いてきた」
「剣士って魔法使えるんスか?」
斬へ尋ねてくるジロへは、簡潔に答えてやる。
「今日日、魔法剣士は珍しくない。そうだろう、ソウマ殿」
「あぁ」とソウマも頷き、つけたした。
「俺に敬語は不要だぜ、斬。ソウマと呼び捨てで構わない」
「ふむ。では……ソウマ。偶然ではあるが、お主が参戦したおかげで我々はカリュウスを捕獲できた。感謝する」
深々と頭を下げる斬に、ソウマがおどけてみせる。
「礼を言われる事じゃないだろ。けど俺に感謝しているなら、もう一匹捕えるのを手伝ってくれると有り難いな」
「判った」
斬は頷き、背後のルリエルに尋ねる。
「もう一戦することになるが、魔力は大丈夫か?」
「平気よ」
彼女は全く疲れの見えない無表情で、こちらを見つめ返している。
二連発で魔法を唱えたにしては、余裕のある状態だ。
想像以上に頼もしい実力者であったようだ。
「その子も、あんた達の仲間なのか?ハンターが魔術師を仲間に入れてんのは珍しいな」
「最近仲間にしたんだよ」とジロが答え、じろりとソウマを睨みつける。
やたら詮索してくるソウマが、気に入らないらしい。
昨日今日出会ったばかりの人物とはいえ一応目的が同じ協力者なのだし、仲良くして欲しいものだ。
「それにしても――」
乱れた息を整えて、再び気配を探りながら、斬はソウマへ話を振る。
「カリュウスは獰猛だと聞いていたのだがな。機関誌が情報を間違う事もあろうとは」
「ん?あぁ、獰猛ってのは雄だよ。さっき捕まえたやつは雌だ」
あっさり言われ、慌ててスージが痙攣しているモンスターを調べてみると、確かに雄にしては胸が張っている。
プニプニ押してみると、弾力があった。
「およしなさいませ、女性の胸を触るなんて無礼ですわよ」とエルニーに窘められ、スージは肩をすくめる。
モンスター相手に、無礼も何も。
だが、あまり弄くると痺れが取れて逃げられるかもしれない。そっとしておこう。
「雄と雌では気性が違う、か……」
「そういうこと」
見たことのないモンスターは、これだから困る。
実際に戦うまで、雄か雌かも判らないのだから。
ひとまず捕まえたカリュウスには首輪をつけて、もう一匹の捕獲に乗り出した。
「一匹目で時間をかけすぎたかな。もう出てこねぇや」
ポツリと呟くソウマへ、スージが驚いた顔で尋ねた。
「早朝なら、いつでも餌を取りに出てくるんじゃないの?」
「餌を取りに来るのは群れの中の一匹だけだぜ。なんだ、お前ら捕獲ハンターって割に全然ターゲットの生態を知らないんだな」
ソウマの軽口に、ムッとしたジロが言い返す。
「うっせー、こいつの捕獲は今回が初めてなんだから仕方ないだろ」
些かムッとしながら、斬も口添えする。
「群れの中の一匹が戻ってこないとなれば、他の者が探しに来るのではないか?」
「うーん……どうかな、そういう情報は聞かされちゃいないんだが」
ソウマがブツブツ言いかける側で、ルリエルが突然「出たわ」と囁くもんだから、皆の意識が一斉に彼女の指さす方向へと動き、斬、それから少し遅れてソウマも飛び出す。
「よっしゃスタートダッシュは、やっぱ叔父さんのほうが一歩早ェぜ。叔父さん、かっけー!」
珍しく昂揚するジロに、スージも一緒になってギルドマスターへ声援を送った。
「マスター、頑張って〜!スピードは把握したんだから、簡単に捕まえられますよねっ」
ギャーギャー大騒ぎな三人を遠目に、ソウマが息を切らせながら斬に言う。
「あの三人、参加しねーのかッ?」
「もしもの時の連絡係だ」と言い返し、斬はカリュウスを掴もうと腕を伸ばすが、ソウマに横から邪魔される。
何をするのかと睨んでみれば、ソウマには「駄目だッ!雄は雌と違って反撃するぞ」と忠告された。
次の瞬間。
鋭い殺気を正面から受けて、何が何だか判らずも斬は咄嗟に身を翻す。
間髪入れずにカリュウスが先ほどまで斬のいた場所へ飛びかかり、反対側へ着地した。
「すげぇな!あんたッ。よく今のを避けられたもんだ」
ソウマは感心し、かと思うと左手首を右手で握り、空にかざす。
「いい動きを見せてくれた礼に、俺も取っておきを見せてやるよ!」
また魔法か。
魔法剣士だと言ったが、何種類もの魔法レパートリーのあるタイプは珍しい。
ソロで活動しているだけはある。
彼も、相当な実力者と見ていいだろう。
「太陽よ、我が手に力を指し示せ!スマッシュ・ライジング・サン!!」
ごぉっと熱量のある光がソウマの左手に集中する。
すぐさま、それはソウマの手を離れ、一直線にカリュウスの元へと飛んでいく。
直線では寸前で避けられてしまうのでは?
そんな斬の予想は大きく外れ、当たる寸前で飛び退いたはずのカリュウスを光弾も追いかけて、見事に直撃した。
追尾型の魔法だ。斬は魔法に詳しくないので知らないが、そういうのがあってもおかしくない。
ワールドプリズで魔術師が偉大な地位を誇るのは、それに見合う実力があるおかげだ。
「すごいな」
素直に賞賛すると、ソウマは少しテレた素振りを見せる。
「へへ、褒めてくれたのは、あんたが初めてだぜ。ありがとよ」
「あんな大技持っているのに、今まで誰も褒めてくれなかったって……」
唖然とするスージには、ジロが毒づいた。
「性格が悪ィせいじゃねーの?」
「オイ、聞こえてるぞ。俺の性格の善し悪しを、能なしに言われる筋合いはねぇ」
ソウマも毒でやり返し、地面でピクピクしているカリュウスを、ひょいっと拾い上げる。
「あ……首輪、つけなくて大丈夫?」と尋ねてくるスージには、軽く肩をすくめた。
「首輪?さっき、お前らが雌につけていたやつか?俺には必要ないね。こいつにぶち込んでおけば安心だ」
岩陰に置いてあったのであろう荷物を持ってくると、小さなケースを取り出した。
ちょうどカリュウスが一匹入るぐらいの大きさだ。
蓋を開けてモンスターを放り込むと、かちりと蓋を閉じた。
「毛皮がコゲてるけど、いいの?」
スージの質問を、ソウマは軽く流す。
「俺が指示されてんのは生け捕りでって条件だけだ。怪我してようが毛が焦げていようが、そこは関係ない」
「けど、わざわざ怪我を負わせる必要もないわ」と割り込んできたのはルリエルである。
雌捕獲の時も、怪我を負わせて足止めしようとしたソウマを責めていた。
きっと、嫌なのであろう。乱暴な捕獲手段が。
「仕方ないだろ。俺が覚えている魔法は、光と土と風なんだ」
どれも殺傷力の高そうな属性だ。
ソウマの攻撃的な性格を示していると言ってもいい。
「なら、これから他の魔法も覚えればいい」
こともなげに言い放つルリエルに、ソウマが怪訝に眉をひそめる。
「簡単に言ってくれるけど、魔法一つ覚えるのに、どれだけ時間がかかると思ってんだ」
「そういや魔法剣士、なのでしたわね。あなた、剣の腕にも自信がおありですの?」
エルニーの横やりに「一応な」と答え、ソウマは斬を見た。
「あんたんとこの魔術師は、随分無茶ぶりをしてくるじゃねーか」
斬も、ちらりとルリエルを一瞥する。
言いたいことを言うだけ言って気が済んだのか、彼女は岩陰に腰を下ろし、じっと黙して帰りを待っている。
「……人慣れしていないのだ」
「人慣れしていない?恥ずかしがり屋なのか、それともコミュニケーションが苦手とか?」
ソウマへ黙って頷くと、もうこの話はお終いとばかりに斬は話題を切り替える。
「それよりも、ソウマ。お主は一人で活動しているのか?」
「まぁな」
「人数が要り様な依頼でも?」
「そういうのは、引き受けない事にしている」と答えてから、ソウマは首を傾げる真似をした。
「なんだ?もしかしてギルドに勧誘しようってんじゃないだろうな、この俺を」
言っておくけど俺は傭兵だぜ、と続けるソウマに再び頷き、斬が促す。
「先ほど強敵を捜していると言っていただろう。我がギルドへ来れば、自然と強敵と戦う機会が訪れる」
「あ〜……捕獲ハントってやつか。けど俺、捕獲は苦手で」
「新しい魔術を覚えるにも費用が必要ではないのか。当ギルドへ来れば、魔術書代ぐらいは出してやれるぞ」
「ちょ、ちょっと叔父さん!?」
度重なる勧誘に、とうとうジロが黙っていられなくなりクチを挟む。
「こんな性格悪い奴を勧誘って、勘弁して下さいよ!俺、一緒にやってく自信ねーッス!」
何度も性格を悪く、しかも能なしに言われて黙っていられるほど、ソウマも穏やかな性格ではない。
「こっちこそ、お断り――」
しようと思った瞬間、ルリエルが視界に入った。
先ほどは言われ放題でムカつく相手だと思った彼女だが、改めて眺めてみると、随分と珍しい風貌である。
特徴的なのが紫の髪の毛と赤い瞳だ。
瞳の色に関しては他人をアレコレ言えるソウマではないが、髪の毛が紫というのは変わっている。
少なくともレイザース人ではない。
加えて言うなら、メイツラグ人でもない。
珍しい髪の色を持つのは、亜人ぐらいしか思いつかない。
亜人とは、ここより遠く離れた"亜人の島"と呼ばれる島に生息している種族である。
しかし亜人が島を離れて行動するなど、ありえない。
ましてやハンターの仲間になるなんて。
ソウマの視線に気づいたか、斬がそっと囁いてきた。
「ルリエルが気になるか」
「まぁね。あれだけ目立つ外見してたら誰だって気になるだろ」
「お主も相当目立つ外見だと思うが?」
自分の顔を片手で撫でて、ソウマが頷いた。
「……まぁな。この両目は、ちとワケアリで」
「ほぅ?」と食いついてきた斬、それから黙って座っているルリエルを交互に見比べて、ソウマは少し考えていたようであるが、やがて答えを出した。
「どうやら、あんたは、あの子を秘密にしておきたいらしいな?俺が吹聴したら許さないって顔をしているぜ」
「その通りだ」と、斬。
「でもって、あんたは俺を仲間に引き込みたい、と……」
「あぁ」
「……ま、いいだろ。仲間になってやっても」
急にソウマの気が変わったのは、間違いなくルリエルに興味を持ったせいだ。
この際文句は言うまい。
仲間になってしまえば、いくらでも箝口令を敷けるし、魔術書を餌に依頼を手伝ってもらえる期待があった。
「ありがとう、ソウマ。今日から我々は仲間だ」
差し出された右手を握り返し、ソウマも斬へ愛想良く微笑む。
「あぁ、よろしくな。斬」
だが、ジロ・スージ・エルニーには辛辣な挨拶をお見舞いした。
「ちなみに俺は、足手まといを仲間だと思わない主義だ。俺に認められたかったら、もっと強くなれよ?」
「な、なんだとぉ!?」
当然の如くジロはカッカと怒り出し、スージも「え〜?」と不服そう。
エルニーも眉間に皺を寄せ「んまぁ、新入りのくせに態度がでかいですわね!」とぷりぷりするのを、斬が呆れて慰める。
「そう怒るな、三人とも。先輩の貫禄で、新入りの面倒を見てやってくれ」
ソウマの言い分はもっともだし、三人には、もっと依頼を手伝ってもらいたいのが斬の本音だ。
勝ち気な新入りの加入で少しは、やる気を出してくれると有り難いのだが……
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