
シコクは、これまでの歴史で一度として裕福だった時代がない。
奥地であるが為に海には出られず、加えて作物の育たない大地と交通の便の悪さも貧困に輪をかけた。
それでも住民は余所の町まで遥々歩いて出稼ぎしに行き、貧しいながらも平和に暮らしていた。
だが近年、ナゴヤに兵力が集まっているとの情報を甲賀忍群が掴み、いつ攻め込まれるかと民草は戦々恐々する。
――そんな状況下だった。剛利城の門を叩く、傭兵志願が現れたのは。
「すいまっせ〜ん、だーれーかー!」
ドンガドンガと勢いよく戸を叩くのはチュニックに半ズボンと軽装な、ショートカットの赤毛少女だ。
「ちょ、ちょっと、そんな勢いよく叩いたら迷惑だって……」
彼女の後ろで申し訳なさそうにしているのは、ふくよかな顔の少年だ。
豊満な腹の脂肪を覆い隠す灰色のローブも限界まで伸び切っている。
なおもドンガドンガ叩いていると、ぎぃ……と軋んだ音を立てて戸が開いた。
「なんじゃ、うるさいのぅ。何者ぞ?」
細い隙間から低い声が誰何する。
「何者って、冒険者に決まってんでしょ。あんた達のとこは万年貧乏だって言うじゃない?ろくに傭兵も集まりそうにないから手伝ってやろうってのよ。判ったら、さっさと通しなさいよね」
少女の堂々としたふるまいに一瞬ポカンとなった後、扉の向こうの人物は声高らかに笑い出す。
「……何を言い出すかと思えば!いくら貧しかろうと、小娘一人に助けられるほどには落ちぶれておらぬわ。異郷の娘よ、あまり戦を舐めるんじゃない。早う帰れ」
せっかく開いた扉は閉じてしまった。
これには「は?」と少女側もブチキレだ。
「ふざけんなー!ゴルァー!こっちゃシャ印の召喚獣も持ってきてんのよ!?ただの小娘だとナメてかかるっつーなら、こんなボロ城、秒でぶっ壊してやるんだからね!」
中指をおっ立ててキレまくりな少女を後ろから羽交い締めにしながら、デブも必死で止めに入った。
「だ、駄目だってメリア!僕達は、このお城の人々を助けに来たんでしょ?」
門の前でギャースカ騒いでいる所へ誰かが歩いてくる。
「……?あの……どちら様でございましょうか」
絣模様の着物を纏った黒髪の女性だ。
手には買い物袋を二つも下げている。城の使用人かもしれない。
「よくぞ聞いてくれました!あたしはメリア=クレイ、稀代の魔術師になる予定の冒険者よ!」
仁王立ちで偉そうな自己紹介をかますメリアの背後で、太った少年も頭を下げる。
「あ、僕は僧侶をやっています、ケイン=バーニアと申します」
そして、メリアの胸元からヒョコッと顔を出したのは黒猫だ。
「そしてアタシがシャウニィ様の使い魔、ニコットにゃん♪」
「あら、まぁ、可愛らしい猫ちゃんですね」
女性は使い魔にだけ反応して、黒猫の頭をナデナデする。
黒猫も、ひょいと首を伸ばして撫でくりを受け止めた。
「えへへ、もっと褒めて褒めてにゃん」
「ちょっと待ちなさいよ!そいつはオマケ、あたしがメインなの!あんた判っていてやってんでしょ、腹立つゥゥゥ!」
金切り声でキレまくるメリアに二歩ほど引いてから、女性は取り繕うように用件を尋ねた。
「あ、いえ、すみません……猫ちゃんが、あまりにも愛らしかったもので。その、お二人方は剛利城へ何用でいらしたのですか……?」
「助っ人にきてやったのよ!あたしが来たからには徳河だろーと武田だろーと草木一本残さずに消滅してやるわ!」
全くの無名なのに、自信だけは天上ぶち抜きだ。
「すみません、僕ら駆け出しの冒険者でして、ここらで、いっちょ名を上げようと思いまして」
ケインが、こそっと女性に耳打ちする。
「どうか雇ってもらえませんか?」
「まぁ……ですが、この城には冒険者様をお雇いする資金がございません」
困ったように俯く女性へ尚もケインは畳み込む。
「あっ、謝礼はいりません。僕らの目的はお金ではなく功名ですから」
「でも……タダ働きというわけにも参りませんでしょう?」
まだ渋る女性に「いいのいいの、メリアもケインもアタシも貧乏じゃないにゃん」と、使い魔までもが説得に加わってくる。
「――ふむ。そのシャ印だがのォ」
不意に背後から声をかけられて、「ひぃっ!?」とケイン、それから女性も「きゃぁ!」と叫び、ニコットも「にゃん!?」と一斉に驚き、後ろを振り返る。
「や、そこまで驚くもんじゃったか?」
いつ来たのか背後に立っていたのは、髪に白髪の混ざる、擦り切れた着流しの男だ。
「四郎様!いつ、城をお出になったのですか」と女性が驚くからには彼女の知り合いだろう。
四郎と呼ばれた眠たげな表情の男は「うむ。静、お主の帰りが遅いんでな、心配になったんじゃ」と頷き、女性の肩へ手をかけた。
「あら……申し訳ありません。いえ、この方々が傭兵として雇ってほしいと申されまして」
「駆け出しの冒険者が?」と首を傾げる四郎の鼻先に、メリアがビシッ!と指を突きつける。
「駆け出しだから、よ!有名になったら、こんなビンボっちぃ陣営に味方しようなんて思わないわよ、誰も!」
全くといっていいほど、歯に衣を着せない少女だ。
だが他にも兵士を募集している町があると知った上で、ここを選んだのだとしたら、功名だけが目的とも言えないのではないか。
裏に隠された人情を汲み取り、四郎はカラカラと笑った。
「こいつぁ清々しいほど正直な娘さんじゃ!よかろう、お主らを雇ってもらうよう殿様にも頼んじゃるけん、ついてまいれ」
「へぇー、あんた、お城の関係者だったの。じゃあいいわ、殿様のとこまで案内よろしく!」
底抜けに無礼をかますメリア、そしてオドオドしながらケインも四郎の後に続いて門を抜けた。
「よかったにゃん。ほぼ就職フラグ確定にゃ」と呟き、ニコットはメリアの胸元へ潜り込む。
「ようこそ訪れた、異国の冒険者よ。はっきり言うが、うちは二人加わった所で戦力不足は否めない。よって不足を補うが為にも自由領で探してくる予定であった。その手伝いをやってもらえるか?」
座に通され早々、殿様直々に使いっ走りを頼まれて、自信過剰気味な小娘が何と答えたかというと。
「はぁぁ〜〜ん?あんた、魔法を馬鹿にしてんの?してんでしょ、ふざけんじゃないわよ」という口答えであった。
「き、貴様、殿の御前で何という口の訊き方を!」
場が騒然とするのもお構いなく、これでもかってぐらいの嘲笑を殿様へ浴びせた。
「仕方ないわよね、こんな田舎で頂点取ったつもりになっている世間知らずの殿様じゃ。見せてやるわよ、あたしのメルトンッ!」
ボォッ!と燃え盛る炎がメリアの掌に出現したかと思えば、一直線に剛利の元へ飛んでいき、シュボン!と音を立てて消滅する。
「あ……あら?」
自信満々なポーズのまま硬直する彼女に、これみよがしな溜息を漏らしたのは、座にいた忍びの一人。
「我らを田舎モンだと相当に侮っていたようだがの。術に関しちゃジパン一と謳われた家系がおるんだ」
「な、なによ、それっ。後出し情報ずるくない!?」
キーキー騒ぐメリアには、ケインもニコットもフォローできない。
いきなり雇い主に攻撃呪文を飛ばすなんて前代未聞だし、叱られる程度で済んだのは奇跡だ。
「ジパン一とは過誉じゃがのぅ。術には多少の自信があるでな、儂らが欲している戦力は前を張れる戦士じゃ」
頭をかきながら四郎も付け足し、ケインを見た。
「無論、回復担当には期待しておるが、な。侍を探しに黒虫とチャイナロウスまで、ひとっ走りしてくれんかのぅ?」
言われてみれば、城へ辿り着くまで一人の侍も見なかった。
いるのは、ほとんどが町人であった。
城の中にいるのも、殿様以外は忍者か下働きの下男下女ばかりだ。
「何それ、やばくない?ジパンって侍と忍者と芸者の国なのに、侍がいないってさぁ」
「そうじゃ、やばいんじゃ。これも全て、奴らの望む給金が払えないせいでな」
メリアの罵倒に四郎が頷く。
剛利も頷き、メリアとケインの顔を見渡した。
「我らが目指すは、ただの防衛強化ではない。この内乱を機に乗じ、シコクの生活向上を望む。まず、手始めはカイの占拠だ」
「えぇっ!?」と驚くケインの隣では、「嘘ォ、こんな弱小っぷりで侵略する気だったの!?」とメリアもズケズケ言い放つ。
「だからナゴヤで戦力強化するんだと、なんべん言えば判るんだ?」
苛々した調子で突っ込まれながら、メリアとケインは黒虫と名乗った忍びと共にチャイナロウスへ向かった。
ナゴヤ領にありながら、チャイナロウスは町並みが一風変わっている。
装飾には赤や黄色などの原色をふんだんに使い、大通りに立ち並ぶ飲食店からは鼻をくすぐる不思議な香りが立ち込める。
「侍を探すんでしたら、中心部のほうが良かったんじゃありませんか?」とケインが懸念を示すのには理由があった。
ここチャイナロウスは武術家が多い。侍もいないことはないのだが、チラホラといった人数だ。
「ナゴヤの中心部は、のぉ……見回り組の目が光っておるんでな」
黒虫は歯切れ悪く返した後、大通りへ油断のない目を向けた。
「その点ここは自由な観光地、観光にきた侍や戦士を勧誘するのが我らの役目だ」
「見回り組?」と首を傾げる二人へも、やはり周囲を気にしながら忍びが答える。
「最近ナゴヤにはびこっていると評判の侍崩れでな。刀を挿しちゃ〜いるが、ならず者の集団と悪評高い連中よ」
「ふぅ〜ん、ならず者ねぇ。そういう人達って、金だけせびって働かなさそうよね」と、メリア。
黒虫も頷き、「我々は腕の立ちそうな、それでいて義に厚い戦士を探すのだ」と二人を促した。
「でも、そういう人って、どうやって見つければいいんですか?」
さっそく怖気づくケインの背を「なに、こうやって見つければよい!」と、黒虫が突き飛ばす。
「あ、わわわぁっ!?」
二、三歩よろけたケインは体勢を立て直せず、見知らぬ侍とぶつかった。
「ぬぅ、おのれぃ無礼者が。貴様この儂を『光来の天晴侍』久我 兵助と知っての狼藉か!」
厳しい面のオッサンは、早くも抜刀。ケインは必死で謝った。
「わぁぁあ、すみません、すみませんっ」
刀を振り回す侍に追いかけられるケインを見ながら、黒虫がメリアに忠告する。
「ああいうのは、いかん。ぶつかっても笑顔で許してくれるようなのを探すんだぞ」
「そっか、最初の挨拶でも性格って出るもんね」
たまらないのはケインで、振り降ろされる刀を必死の形相で避けながら、二人に助けを求めた。
「ちょっとぉぉぉ!他人事みたいに見てないで助けてぇぇっ」
「そうねぇ、性格もだけど、腕もしょぼそうね。ケインに当てられないようじゃ」
久我なにがしを品定めした後、メリアは刀挿しの侍を見つけて声をかける。
「すみませぇ〜ん、私達ィ、腕に自信のあるお侍様を探しているんですけどォ、あなた、どうですかァ?」
「お?なんじゃい姉ちゃんカワユイのぅ。どんな接待してくれるんじゃぁ」
媚び媚び勧誘のメリアヘ、これまたスケベ涎を垂らして近寄るオッサンを横目に、黒虫も侍を物色。
小一時間もする頃には、めぼしい相手を、それぞれ見つけた。
「こちら板垣
メリアの雑な紹介に苦笑しながら、檀野助が頭を下げる。
「飯にありつけりゃあ、それでいい。なにぶん剣の腕しか自慢できるものがないのでな、宜しゅう頼む」
立派な刀を腰に差しているが、袴はあちこち解れており、微妙な貧乏臭さを感じさせた。
「こちらも有望な御仁を見つけたぞ」
黒虫の紹介を受けて、若い侍が会釈する。
「水草 蓮太郎と申しまする。こたびは剛利に義ありと感じ、力をお貸ししたいと存じまする」
折り目正しい挨拶に、自然とメリアの顔もほころぶ。
「へー、あんた、あたしよか年下っぽいのに礼儀正しいじゃない!」
「ありがたき賛辞にございます。共に力を併せてゆきましょう」
卒なく返して、蓮太郎はメリアと握手をかわす。
お前が無礼なだけだろ――
メリアを見つめる黒虫の目は、そう言いたげであった。
一方、ケインと天晴侍の戦いにも決着がつこうとしていた。
「はぁはぁっ、儂の天晴剣をかわし続けるとは、お主やりよるのぅっ」
「も、もぉ、勘弁してくださぁぁい……」
ひたすらヘナチョコな刀筋をギリギリで避けていたケインは疲労困憊、刀を振り回していた久我も同じぐらいヘトヘトだ。
ちらりと二人を一瞥し、黒虫は帰路につく。
「では帰るとしよう。城に戻り次第、カイ攻略の策を練る」
「……あれは放っておかれるので?」
へたりこむケインを指差す檀野助に「見極める推量のない者には、よい経験となろう」と黒虫は素っ気ない。
「ほらぁ〜、帰るってよ、とんちきブタァ〜」
メリアは率直な悪口でケインを呼び寄せ、ケインが「あぁぁ、待ってメリア〜」と歩き出すのを追いかけて、「待たれよ、儂もいくぞぉぉ」と何でか久我までついてきた……
だが、城へ帰還したメリア達を待っていたのはカイ攻略の作戦会議ではなく。
自由領で怪しい動きがあるから調べてこいという、とんぼ返りな任務の追加であった。
「なによー、無駄足じゃないー」とギャースカ文句のうるさいメリアを無視し、黒虫が新たな同行者へ耳打ちする。
「雷火が機械都市と手を組むとして、四郎殿は如何様な手に出るとお考えなので?」
「あの婆さんがやることは儂にも予想がつかんでな。こうして実際に探るしかあるまいよ」
ナゴヤに最近、機械都市の住民が出入りしている。
そういった噂がオオエドを中心に広まり、シコクにも届いてきた。
城下町で噂を聞きかじった静の弁を元に四郎はナゴヤ偵察を命じられ、ちょうど帰ってきた黒虫と合流したのであった。
「あの、雷火って誰なんですか?」
ケインの問いに答えたのは檀野助だ。
「その名前、インディゴで聞いた覚えがある。確か自由領に城を構える忍者ではなかったか?」
「はぁ?忍者が城を持ってんの?忍者ってド貧乏な職業じゃなかったっけ」
メリアは忍者を前にド失礼な暴言を放ち、ケインも「ということは、その人がナゴヤの統治者なんですか?」と首を傾げる。
蓮太郎も「城……ですか?しかし、ナゴヤ内で城を見た覚えがないのですが」と訝しげに尋ね返すのへは四郎が答えた。
「噂によると、城は城の形をしておらんそうじゃ」
「えぇーッ!?」
若者三人が声を揃えて驚愕する中、ぽんと手をうち黒虫が納得する。
「あぁ、そこで機械都市が絡んでくるわけですな」
「うむ。怪しげな造形物を見つけたら、忍び込む必要があろう」
四郎はそう言うが、ナゴヤの領土は広い。たった数人で探し出せるものだろうか。
……といった懸念は、インディゴへ足を踏み入れた瞬間に四散した。
「何……あれ……」
「……仏像……でしょうか?」
全長10Hはあろうかといった巨大仏像が、入ってすぐの場所で寝転んでいる。
「あんた、前に此処へ来たんでしょ!?あれ見て不思議だなーとか何でこんなものがあるんだって思わなかったわけ?」
メリアが檀野助へ食って掛かるも、檀野助は手をぶんぶん振って大笑い。
「いやぁ、ああいう飾りかと思って納得しとったわ。なんせナゴヤは派手な飾りものが売りだからのォ」
派手な装飾があるのは、ナゴヤ広しといえどもチャイナロウスだけだ。
インディゴは農産村とでもいったほうがいい牧歌的な風景が広がっている。
巨大仏像は、誰がどう見ても違和感しかない。周りの景色と見事なぐらい馴染んでいなかった。
「と……ともかく、入口を探すとするかい。手伝え黒虫」
毒気を抜かれた表情の四郎に命じられ、黒虫も「判りましてございます」と棒読みで頷く。
やがて仏像の尻の部分に潜り込めそうな穴を見つけた一行は、もぞもぞと入り込んだ。
謎の巨大仏像は、頭に当たる部分に操縦席があった。
「……しばらく会わない内に、奇天烈要塞の趣味にでも目覚めたのか?」
挨拶抜きに話しかけてきた忍びへ振り返りもせずに、操縦席に腰掛けた女忍びが答える。
「おやおや、久しぶりに会ったってのに、とんだご挨拶じゃないか。あんたは相変わらず可愛くないね」
「茶化すな」と即座に軽口を斬り捨てて、黒装束の青年――草薙は雷火を責め立てた。
「お前は中立であることに誇りをもっていたはずだ。なのに、何故要塞を構えた?これでは鼠が入り込んできても文句は言えんぞ」
ヴンッと耳障りな音を立てて、正面の窓ガラスに仏像内の様子が映し出される。
デコボコな床をまたぎ越しながら『足元に気をつけられよ』と促す四郎を筆頭に、天井で回る歯車に頭をぶつけて『あいたっ!』と叫ぶ最後尾の久我などが。
「あら、まぁ、本当だ。ひぃふぅみぃ……なんだ、七人ぽっちで乗り込んでくるたぁ、この雷火様もナメられたもんだ」
かと思えば、ガコンガキンと二本の操縦桿を交互に引っ張った。
ズゴゴゴゴゴ……
今この時間、表にいた住民は軒並み、立ち上がる巨大仏像を目にしたことだろう。
もの凄い振動が内部を襲い「うわぁぁ!」とケイン達は、あっちへごろごろ、こっちへごろごろ転がった。
「な、何事じゃ!?」
柱に抱きついた四郎が問えば、「もしや、この像……動いているのでは!?」と黒虫も床に這いつくばって叫ぶ。
操縦席付近でも草薙が珍しく焦った様子で「なんだ、一体何をした?」と雷火に尋ねて、返ってきた答えは「パート3発進、三進合体いくよぉ!」といった掛け声で。
ガッシィィィン!!!
四方八方まで響き渡る轟音を鳴り響かせながら、どこからともなく飛来した三つのパーツが巨大仏像と合体する。
背中に三本の突起物を生やした巨大仏像は、両手を併せて決めポーズを取った。
「見参!鋼鉄仏身ナゴヤー・ラー!!」
見る者全てをほったらかしに、雷火の操る巨大ロボットが向かうのはカイ方面――!