絶対天使と死神の話

輝ける魂編 06.予想外のタイミングで


翌日のスクールにて、原田は会いたくもない相手と遭遇する。
「おぉ、久しぶりだな愛しき君よ」
ヤフトクゥスだ。
アーシスの住民でもないくせに、ちゃっかり観客席に紛れ込んでいるとは図々しい。
例の珍妙な白い服ではなく、ここいらの住民と同じ普段着を身にまとっている。
背中の羽根は服に隠れているのか見えない。
首を傾げる原田の横で、神坐がボソッと小声で呟く。
「擬態取れるのかよ、絶対天使も」
神坐をチラリと一瞥し、しかしヤフトクゥスは彼を無視して原田に話しかける。
「今朝、起きた直後に嫌な予感がした。アーステイラが、アーシスへ戻って来るのではないかという予感だ。君の安否が心配になって駆けつけたのだよ」
今まで何処で何をしていたのかは知らないが、ちゃんとアーステイラの件は覚えていたようだ。
「アーステイラが!?」と驚く水木へ頷くと、ヤフトクゥスは結論づけた。
「今まで隠れていた奴が何故姿を現そうとしているのかは判らぬが……俺の予感は百発百中だ、これまでに外れたことはない。今日は厳重警戒態勢でいるよう、皆にも伝えておいてくれ」
「え、と。誰が、誰に?」と水木に聞かれたって、原田にも答えようがない。
そんな権限、一町民たる原田や水木は持っていないし、町長に話したって軽くあしらわれるだけだ。
原田が目線で神坐にSOSを送ると、神坐は「俺がジャンギに話を通しといてやるよ。あいつの友人にいただろ、警備隊の隊長だか何だかが」と頼もしい返事を寄越してきた。
「あぁ、それと」と神坐はヤフトクゥスを睨みつけて、言い添える。
「アーステイラが姿を現しても、テメェは攻撃すんじゃねぇぞ。あれを倒すのは輝ける魂である原田の使命なんだからよ」
「輝ける魂……?フム、冥界では魂を輝きごとに分類しているのか」
小さく呟き、納得したように何度か頷いた後。
ヤフトクゥスが、じっと原田に視線を注ぐ。
「邪悪なものを打ち倒す役目を持つ者は、どの世界にも等しく存在する。かの者は勇者と呼ばれ、未来を背負う宿命を持って生まれるのだ。正晃、君も勇者だというのであれば俺は邪魔すまい。君が死なぬよう最低限の援護をするに留めておこう」
一応念のため、小島は確認を取っておく。
「援護ってこたぁ、お前も使えるのか?結界だとか封印って魔法を」
「当然だ」と自信満々な答えが返ってきて、逆に原田を不安が襲う。
ヤフトクゥスが使えるなら、彼と同族のアーステイラも封印や結界が使えるのではあるまいか。
もし攻撃しても結界で防がれてしまっては、手の打ちようがない。
心配が表に出ていたのか、神坐に励まされた。
「安心しろ、原田。怪物化したアーステイラにゃ、絶対の誓いは使えなくなっているはずだ」
「その通りだ」とヤフトクゥスも頷き、遠方の空へ視線を移す。
「闇堕ちは大罰、絶対天使が絶対の誓いを破るなどあってはならぬこと。よって魔力も有限となり使える魔法が制限された今、やつめが戦う手段として選ぶのは怪物化で得た特殊能力だけとなろう」
膨大な魔力がないと知って安心したものの、引っかかる一言が最後についた。
原田ら三人は揃ってヤフトクゥスへ疑問の目を向ける。
「特殊能力って?魔法とは違うの」
水木の問いに「全然違う」とヤフトクゥスは断言し、三人の顔を見渡した。
「怪物には生まれついての能力があり、それは力尽きるまで無限に使える。闇堕ち天使の能力については、多少ならリトナグラリッチ様からお聞きしているが……俺も実際に受けたことはない。ぶっつけ本番となろう」
これまでに怪物化した絶対天使は居なかったのか?という小島の問いにもヤフトクゥスは、ここ数万年は一度もでていないと答えて、眉間に皺を寄せる。
「アーステイラは我々の中で一番の若輩……いずれ大きなヘマをやらかすのではないかと危惧していたが、まさか絶対の誓いを反故にしようとはな」
「たった一回破っただけで怪物化しちゃうなんて、絶対の誓いって厳しいんだね」
水木が小さく呟き、原田を見上げて微笑んだ。
「でも原田くんが好きな人は結果的にだけど判って良かったと思っているよ、私は」
アーステイラと原田の間に結ばれた絶対の誓いは、今にして思えば――そう、アーステイラの人生を秤にかけた上で考えると、実にちっぽけな願いであった。
約束を反故にされた当初はキレて怒鳴りつけてしまったけれど、あの時開き直って水木に告白していたら、怪物化は退けられたのだろうか?
悩む原田の頭上に無慈悲な一言が覆いかぶさってくる。
「どんな約束であれ絶対は絶対、約束を守れぬ絶対天使に絶対を名乗る資格はない。というか、正晃。君には好きな人がいるのか。誰だ、俺か!」
ヤフトクゥスにズイズイ迫ってこられて、一歩退いた原田との間に割り込んだのは神坐だ。
「見りゃ判んだろ、原田が好きなのは水木と小島だ。テメェの入る隙間なんざありゃしねぇよ」
そもそも、約束を反故にされたのはヤフトクゥスが来る前だ。存在が欠片もない。
ともあれアーステイラが襲撃してくるというヤフトクゥスの予感を信じて神坐がジャンギ経由で警備隊に話を通す形となり、原田と小島の二人は生徒席に水木を残して、ソロ戦出場者が集合しているステージまで歩いていった。


唐突なルール変更のお知らせは出場生徒に大反響を呼び起こし、棄権受付は長蛇の列で大混雑となった。
はっきりと出場者数が判るまでは試合開始の号令も出せず、ソロ戦開始は午後からだと言い渡されて、一旦生徒席まで引き返してきた二人にピコが話を持ち掛けた。
「アーステイラが来るかもしれないんだろ?今のうちに僕らは僕らで対策を立てておかないか」
と、言われても現時点で出来ることなど一つもない。
原田が輝ける魂として覚醒していないのに、何が出来るというのか。
「それはそうと、ピコ。お前はソロ戦、出ねぇの?」と小島に突っ込まれて、ピコは意味もなく前髪をふわさっとかき上げる。
「僕の、この美しい顔に傷をつけられたらと考えると、とても怖くて参加できなかったよ」
棄権ではなく最初から不参加の姿勢だ。だが、納得の理由でもある。
「そんなことより、アーステイラが来たら戦わなきゃいけないんだよ。ピコくんは平気なの?」
水木は小さく縮こまり、かなり緊張しているようだ。
対してピコは平常通り、元恋人が敵になったというにしては態度が穏やか過ぎる。
「んん?だって戦うのは原田くんじゃないか。僕は援護だし、直接殴り合うわけじゃないから平気だよ」
直接ガチンコしないからセーフという彼独特のボーダーラインが理解できずに原田は内心頭を抱えたものの、ピコがどうしようと直接の問題ではないと割り切った。
それよりも、覚醒前でアーステイラに戻って来られるのは不慮の事態だ。
このパターンを予測していなかったわけではないが、実際なってしまうと対策が何も浮かんでこない。
魔法で蹴散らされる大惨事は避けられても、特殊能力とやらでボロボロにされる危険が残っている。
ましてや今は合同会の真っ最中、町の住民が一ヶ所に集められた状態だ。
どうあっても被害甚大、無関係な人々を巻き込む可能性が高い。
「……逃げちゃおっか?」といった水木の案は、瞬きの合間でジョゼに却下された。
「駄目よ、私達が逃げたところでアーステイラの奇襲は避けられないわ。ところで」
「ところで?」と聞き返す原田に、彼女は尋ねた。
「何の用でアーシスへ戻ってくるつもりなの?アーステイラは」
そんなことは本人に聞かねば判らないし、戻ってくる予感を言い出したのはヤフトクゥスだ。
「ヤフトクゥスー、ちょっといいかー!?」
小島に大声で呼びつけられて、ヤフトクゥスも生徒席へ駆けつける。
だが先ほどの疑問を繰り返すジョゼには怪訝に眉根をよせて、いともあっさり吐き捨てた。
「俺がファーストエンドへ降り立ったことなど、奴も気づいていよう。俺に浄化される危険を押し通してでも戻る理由となれば、ここの住民に用があるのではないか?」
一番の因縁は小島と原田であろう。
怪物化する前、屈辱な目に遭わせたのだから、相当恨まれているはずだ。
しかし何故、今なのか。
追手の目をかいくぐる手段を思いついたのが、最近だったから?
或いは、確実に小島と原田を消滅させる方法を考えついたとか?
どれだけ考えても、全然答えに繋がりそうな推測が浮かんでこない。
そのうちに周りがザワザワとうるさくなってきて、あちこちで「ねぇ、あれ、人が浮いてない?」「マジ?どうやって飛んでんの」といった囁きが沸き上がる。
人が浮かんでいるってのは、つい最近聞いた覚えだ。
そうだ、ヤフトクゥスが空を飛んで現れた時も皆こうして騒いでいたじゃないか。
今度は誰が飛んできたんだ?今は、それどころじゃないのに。
些か苛つきながら、空を見上げた原田の目に映ったのは――

「はーーっはっはっはっ!ハッハッハ!ハッハッハ……ゲホッゴホッ!!」

笑っている途中で気管に唾でも入ったのか、苦しそうに身体を折り曲げて咳き込む怪物の姿であった。
漆黒のドレスを身にまとい、頭には二本の角を生やし、真紫の髪の毛を長く垂らしている。
見忘れようもない、あれこそは闇堕ちしたアーステイラではないか。
何とも間抜けな再登場だが、本人は大真面目に見栄を切る。
「ゲフッ、ゴホ……久しぶりだな、人間ども!怪物の王が戻ってきたからには、けして逃がさぬぞ!ピコ!!」
名指しで呼ばれて一番驚いたのは当のピコだ。
「えっ、僕?僕に何の用なんだい、アーステイラ」
アーステイラの名に聞き覚えのある生徒がざわめく中、空に浮かんだアーステイラがピコの問いに答える。
「決まっている!セックスだ!!ここを去り、我の生み出した結界の中で未来永劫二人きりの時を過ごし、心ゆくまでアナルセックスをしようではないか!」
公の面前で堂々の性行為及び誘拐宣言には、誰も二の句が出てこない。
原田は急激に彼女と知り合いであること自体が、とてつもなく恥ずかしくなってきた。
闇堕ちする前、ここまで下品な女ではなかったはずだ。
下品になってしまったのは、怪物化が原因なのか?
それとも一人孤独に結界とやらで包まれている間に、性格がねじ曲がってしまったのか。
「いやぁ、それは困るな。僕は君一人の僕じゃない。僕の為に僕があるのさ、判るだろう?」
ピコは未知の回答を繰り出して、野次馬をポカンと呆けさせる。
怪物に誘拐予告されているというのに、腰を抜かしたり気絶したり青ざめて震えたりしないとは彼らしくもない。
幾度もの模擬戦闘を経て、ついに勇気が芽生えたのか?と思ったが、違った。
原田が「怖くないのか?」と小声で問うと、ピコは、こう答えたのだ。
「何を怖がるんだい?あれはアーステイラだよ、君も一緒に見たじゃないか。彼女が変貌するのを」
どれだけ容姿が醜くなろうと、アーステイラとして認識しているから怖くないのだと言う。
誘拐予告に関しても、「僕はアーシスから去らないよ。だってアーシスを去ってしまったら、僕を褒め称える群雄もいなくなってしまうじゃないか」とのことで、誘拐されそうになっている自覚が皆無だ。
「アーステイラ!貴様、よくも醜い姿を俺の前に晒せたなッ」
怒号が呑気な会話を遮り、ヤフトクゥスとアーステイラの視線がぶつかり合ったのも一瞬で。
「ヤフトクゥス……貴様が妨害してくるのは判っていたが、何をどうしようとピコは必ず連れていく!そして命尽きるまで愛し合うと決めたのだ!!それっ!」
アーステイラの指先から光線が迸り、ピコをグルグル巻きに捕獲する。
それこそ「あっ!?」という間の早業で、光線で簀巻きになったピコの身体がフワリ浮かぶと同時に、アーステイラ共々高速で飛び去った。
「あ……あぁぁぁっ!ピコくんが攫われたぁぁ!?
「ピコ―ッ!くそ、ヤフトクゥス、アーステイラが逃げそうな場所って何処だ!?」と小島に問われたって、ヤフトクゥスが知る由もない。
彼は所詮異世界人、ファーストエンドの地理には詳しくないのだから。
そこへ「どうしたの、何があったの!」と今頃になってサフィア教官達が駆けつけてきて、あれやこれやと野次馬の生徒が説明するのを聞き流しながら、原田は脳内で目まぐるしくピコ奪還の作戦を考える。
彼が連れ去られたのは、人間の住む町ではあるまい。外の世界の何処かだ。
何処だか判らない、しかも結界で覆われた場所を探すのは困難を極める。
死神や同族のヤフトクゥスでさえ、結界で隠れたアーステイラを見つけ出せなかったのだ。
だからといって諦める、それだけは絶対にない。
ピコはチームメイトにして、スクールで出来た大切な友達だ。
町の人、全員の力を借りてでも、彼は必ず取り戻す。
だが具体的には、どうすれば――?
「もう合同会どころじゃねーぜ!誘拐された子を助けなきゃ、何が自由騎士だ!」と叫んだのは原田ではない。
合同会を見物に来ていた現役自由騎士の誰かだ。
そいつを止めたのは武装した警備隊で、「待て、闇雲に外を探したって見つかるまい!ここは慎重に探索隊を組んで出かけるべきだ」と諭す。
セックスがどうとか言っていたから、すぐに殺される心配はない。
しかし探索隊を作ったところで、見つけられるとも思えない。
嫌だ。ピコと、これっきりだなんて。
最後の会話が、あれだけだなんて。
自分だけが好きなようで周りにも気遣いが出来たり、素早さだけが取り柄かと思いきや奇襲で大活躍できるピコ。
まだまだ、彼を理解しきれていない。もっと彼を知りたい。
あれこれ彼への感情が浮かんでは消えして、ピコを助けたい気持ちで原田の心は満たされる。
助けたい。
でも、今の自分じゃ無理だ。戦っても、覚醒していない自分では……
「ピ……ピコーッ!」
力の限りに叫んで、原田は膝をつく。
アーステイラが来るのは予想されていたのに、充分身構えていたつもりだったのに誘拐を防げなかった。
なんでだ。なんでピコなんだ。
セックスしたいだけなら、相手は彼じゃなくたっていいじゃないか!
「探しにいくっきゃねぇぜ!」と、生徒の誰かが叫ぶ。
「何が怪物の王だ!俺達がブッ倒してやる」
あちこちで気勢があがり、血気逸るのは現役ばかりじゃない、見習いもだ。
もはや警備隊程度で止められる騒ぎではなく、今しも外へ飛び出していきかねない彼らに「逸るな!諸君らの気持ちは存分に判る、だが計画なしに飛び出すのは無謀であって勇気じゃない!」と大声で喝を入れたのは誰であろう、この町の英雄ジャンギだ。
一斉に静まり返った場で、彼の声が朗々と響く。
「未来ある子供の危機だ。是非とも助け出したい。しかし相手は怪物の王を名乗る邪悪な存在だ。宛なく彷徨った挙句、疲れ切った状態で見つけたとして倒せる相手ではないだろう。無関係な怪物との戦いで命を落とす危険もある。だから、ここは長距離探索に実績のある俺が出よう」
ジャンギの決断に群衆は盛り上がり、真っ先に反対したのはエリオットだ。
「だ、駄目です、ジャンギさん!あなたが現役だったのは昔の話でしょう!?それに腕がッ、あの時とは違って腕が足りないじゃないですか!」
すがりつくエリオットの腕を、そっと外させてジャンギが断言する。
「腕は足りずとも、頭脳は現役の頃と変わらない。砂漠に行きつけた俺の経験則を信じてくれ」
それに、と原田を振り返って僅かに微笑んだ。
「俺の役目は探し出すことだ。戦いは輝ける魂に任せる。そうじゃないと駄目なんだろ、原田くん」
この話の流れだとジャンギはどうやら一人で探索の旅に出るようであり、それはそれで心配だ。
土地感覚は死神や絶対天使よりあるかもしれないが、たった一人での探索は危険じゃないか。
昔と違って得意の棒術を封じられている。体術で戦えるったって、一人じゃ限度があろう。
原田は叫んだ。
否、ジャンギに勢いよく掴みかかって頭を下げた。
「俺も、俺も連れていってください!ジャンギさん一人じゃ危険です!」
必死の懇願に続くようにして、もう一つ声がかかる。
「なら、俺とヤフトクゥスも同行するぜ。お前らは魔法が使えないし、結界を破れる奴は必要だろ?」
神坐だ。
何でかヤフトクゥスまで頭数に加えているが、彼を連れていったら却って面倒なことになるんじゃ?と心配する原田へウィンクして、神坐が言うには。
「俺一人じゃ結界を破る魔力が足りないんでな。その分、絶対天使なら魔力は無限だ」
なら、神坐は留守番してヤフトクゥスだけ同行させれば……と途中まで考えて、原田は自身の考えを破棄する。
ヤフトクゥスが「安心しろ、この俺が同行するのであれば道中の安全は約束されたも同然だ」などと言葉は凛々しいながらも馴れ馴れしく原田の肩を抱き寄せようとしてくるもんだから、身の危険を感じたのだ。
「四人だけで世界を横断するのか!?危険だぜ!」と、現役自由騎士の指摘に「四人だけじゃないぜ!」と答えたのは小島で、原田の横に並び立つ。
「ジャンギ、俺達も行く。お前が止めようと誰に止められようと、俺達は絶対探しに行くのをやめないぞ。だって、ピコは俺達の仲間なんだ!」
原田の手を、ぎゅっと握りしめて、水木が囁いた。
「……大丈夫だよ、原田くん。ピコくんは絶対見つけだせる。神坐先生は私達を森林地帯から救い出してくれた……今度だって絶対、アーステイラの結界を破ってくれるよ。その時、私達が一緒じゃなかったら、ピコくんだって不安になっちゃうだろうからね。だから、全員で探しに行こう」
コクリと真剣な眼差しで水木に向かって頷く原田を横目に、ジャンギは思案する。
ここで同行を却下しようもんなら、本当に子供たちは子供たちだけで出ていきそうな勢いがある。
ジャンギは、ふぅっと深い溜息を吐き出して覚悟を決めた。
仕方ない。
一人旅の予定が一気に団体旅行になってしまったけれど、全員を守ると己の誇りにかけて誓おう。
「なら、一緒に行こうか、皆。ただし、俺の指示には必ず従ってほしい。けして無理はしないこと」
まさかのオーケーが出て、原田たち四人はポカンとなり――
すぐに「おーっ!」と全員が手を突きあげて、喜びを示した。
21/11/04 UP

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