合体戦隊ゼネトロイガー


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act3 大脱走

異変が起きたのだと判ったのは、今いる場所が大きく縦揺れ、横揺れして、ボヨンボヨンと波打ったせいだった。
「ちょ、ちょっと、なに?地震っ!?」と驚くメイラの側で、昴が小さく叫ぶ。
「縄が……!」
見れば彼女を拘束していたはずの縄は、ぱらりと解けており、衝撃のあまりヴェネッサも尋ねる。
「ど、どうやって外したの?」
「判らない、勝手に……そう、こうやって壁に擦りつけていたら解けたみたいなんだ」と、本人も驚きを隠せない表情で答えた。
壁に?
ヴェネッサは、縛られた後ろ手越しに壁へ触れてみる。
じっとりとした生暖かさを感じた。
ごしごしと縄を擦りつけてみると、湿っぽさが増してゆく。
こんなもので本当に解けるのか。
しかし、解けた当人が言うのだ。やってみる価値はある。
「な、なんかお尻がベトベトしてきたんだけどぉ〜」
メイラが引きつった顔で言うのへは、レポーターが請け合った。
「キミもか?俺も、さっきから尻のあたりが湿ってきて……」
「お前、まさか漏らしたんじゃないだろうな」とカメラマンに突っ込まれ、レポーターはムキになって反論する。
「そうじゃねぇよ!床が湿ってきたんだ、なぁ、キミもそうだろ!?」
「う、うん。それに、だんだん生暖かくなってきているような」と、メイラ。
個人差があるのか、カメラマンは首をひねっている。
彼の尻は生暖かくも湿っぽくもないようだ。
ヴェネッサの尻だって、湿っぽくはない。ただ、生暖かさは始終感じていた。
だが、それよりも今は縄だ。
ヴェネッサが、なおもゴシゴシ縄を壁に擦りつけていると、ぬるぬるとした液体が手に触り「ひっ!?」と小さく叫んで壁から身を離す。
同時に縄がパラリと解けて床に落ちた。
「な、なんだ?」
「見ろ、縄が!」
「えっ!?どうやって外したの!」
レポーターとカメラマン、それからメイラの三者同時に叫ばれたが、ヴェネッサは構わず壁を振り返る。
壁は、じゅくじゅくと謎の液体を滴らせながら、小さく振動していた。
「なんなの、これ……この壁、いいえ、この飛行物体……もしかして」
「生きている……のかも、しれないね」
ヴェネッサの言葉の後を昴が続け、二人は顔を見合わせる。
「生きているって何が?」とカメラマンに尋ねられ、昴は真顔で答えた。
「だから……この船が、さ」

通路を慌ただしく駆け抜けていく二つの足音がある。
一人は木ノ下だ。
背中に乃木坂をおぶって、必死の形相で前方を目指している。
もう一人はシークエンス。
木ノ下の後方について壁を殴りつけながら、彼女も前方を目指して走っていた。
「君の作戦は穴だらけだ!これじゃ乃木坂さんしか助けられないじゃないか!」
木ノ下が怒鳴るのへは、シークエンスもやり返す。
「どだい、無茶難題なのよ!全員を助けるなんてのはッ。圧倒的に手数が足らないんだから仕方ないでしょ!?」
「そうかよ!君に頼った俺がバカだったってことか」とまで言われては、手伝った側も腹が立つというもので。
「何よ、じゃあ聞くけど、あなたには救出する作戦プランがあったとでもいうの!?」
金切り声で聞き返したら、木ノ下はウグッと言葉に詰まり、話を逸らしてきた。
「そ、それより、ホントに出口はこっちであってるんだろうな!?」
「そうよ!一度アベンエニュラの中に入ったらね、一番後ろの穴でしか外に出られないんだから」
「穴……それってもしかして、ケツの穴ってやつか!?」
「あなた達人間の構造で言うなら、そうなるんでしょうね」
げぇっと叫ぶ木ノ下を横目に、シークエンスは壁への攻撃を休めない。
この星の生物へ乗り移った仲間達とは異なり、アベンエニュラだけは正真正銘、産まれた時の姿のままだ。
乗り移りを必要としないのではなく、乗り移る能力を持たない、不完全なシンクロイスとして産まれた。
仲間内で出来損ないだのポンコツだのと蔑まれているのも、そのせいである。
皆の中ではアベンエニュラが一番年若い。だが、寿命が一番短いのも彼だ。
他の仲間は乗り移りを繰り返す事で永遠の寿命を手に入れられるが、彼は乗り移れないが故に長生きもできない。
アベンエニュラに乗り込まずとも宇宙空間の移動は可能だったが、仲間達は彼を宇宙船として利用した。
短命の役立たずを役に立たせてやるのだ、とは誰の弁であったか。
確かカルフだったように記憶している。
「なぁ、さっきから何で壁をボコボコ殴っているんだ?」
木ノ下に尋ねられ、シークエンスは答えた。
「こうやって攻撃しておけば、痛くてボロボロ吐き出すかもしんないでしょ!」
「えっ、そういうもんなのか?じゃあ壁をぶった切れば全員出られるんじゃ!?」
木ノ下の案はアベンエニュラを殺せと言っているも同然だ。
「そりゃそうだけど、こんな巨体をぶった切る武器なんて、どこにあんのよ!」と尋ねてから、シークエンスは思い当たる。
あるじゃないか、外に。ゼネトロイガーという絶好の武器が。
だが、殺すとしても問題があった。
殺すのが可哀想とは思わないが、殺した後にどうなるかはシークエンスにも見当がつかない。
上手いこと人質全員が出てこられれば良いけれど、アベンエニュラと一緒に死んでしまう可能性だってある。
大体、ここは上空だ。解体するにしても、一旦地上へ降ろす必要があろう。
「外からの攻撃は最終手段に留めておいたほうがいいわね」
ぽつりと呟いたシークエンスの耳が、後方から迫る足音を聞きつける。
足音ばかりではなく、時折「ギー」という鳴き声までも聞こえてくるではないか。
「やばっ、もう命令出したの?回復早すぎ!」
「え、何、追っ手か!?」
振り向こうとする木ノ下の背中をぐいぐい押して、シークエンスは彼を急かした。
「ほらほら、追いつかれる前に前進、前進〜!」
「そ、そういやぁさぁ、あの下っ端黒タイツ軍団っての何なんだ?あれも君の仲間なのか!?」
走りながら尋ねてくる木ノ下へは「違うけど、今は逃げるのに集中して!」と叫びかえし、木ノ下の尻を突っつく形でシークエンスはスピードを上げた。

縄を解き、逃げ出したのは昴達だけではない。
同じく同じ発想で縄を解き、逃げ出した一行がいた。
彼らと昴達は通路で、ばったり鉢合わせる。
運が良かった。鉢合わせたのが、少なくとも全身黒タイツ軍団ではなかったのは。
「諸君らは民間人だな?」
先頭に立った一番偉そうな男性に尋ねられ、おずおずとメイラが頷く。
「はい、そうですけど」
「どうして、ここに?いや、どうやって忍び込んだんだ」
「飛行船で接触して、あなた方の使った方法を真似させてもらったんですよ」
へらへら答えるカメラマンを見据え、突撃隊の隊長は苦々しく呟く。
「愚かな……」
「けど、困りました。入ってきたはずのハッチが、どこにも見あたらなくて」
「そうなんだよ。俺達もハッチを探しているうちに、ここまで来ちゃって」
隊員の一人が報道班に同調して、じろりと隊長に睨まれる。
「入るのがやけに簡単だったのは、罠だったのかなぁ」と、昴。
「出口がないってわけ?そんなはずないわ。だって、それならどうやって彼らは出入りしているの」
ヴェネッサのツッコミに、うんうんとメイラも頷く。
「どこかに出口は、あるはずよね。普通大型戦艦っていったら後ろか前に発着口があるものじゃない?」
素早く前後を見渡して、昴が頭をかく。
「どっちが前で後だかも判らないんだけどね……」
「それなら、多分こちらが後ろだ」
突撃隊の隊員が指したのは、昴達がこれから向かおうと思っていた方向であり、隊員達が走ってきた方角でもある。
「俺達の放り込まれた場所を、連中は倉庫と呼んでいた。倉庫が船の前方にあるってのもおかしいし、こちらが船尾の可能性が高くないか?」
「倉庫だったら、どこにあってもおかしくないと思うけど」
ぶつぶつ呟くメイラを無視し、昴は通路の先へ目を凝らす。
いずれにせよ、どちらかには進まなくてはなるまい。
いつまでも一つ処に留まっているのは危険だ。
いずれ放たれるであろう追っ手に追いつかれてしまう。
「それじゃ、まずは奥へ行ってみましょう。違ったら、その時はその時よ。逃げ回って、連中の動きを引っかき回してやりましょう?」
ヴェネッサの号令に全員が頷き、一斉に走り出す。

あちこちで、慌ただしく駆け回る足音が聞こえる。
一軍団の足音が反響しているのかと思ったが、そうではない。
複数の団体が数カ所を走っているのだ。
「――どういうことなの?」
呟くシークエンスは、前方の木ノ下があげた「うわぁ!」という悲鳴で我に返る。
「どうしたの、進」と尋ねるまでもなかった。
目の前を塞ぐ黒い壁、全身黒タイツ軍団を目に入れては。
アベンエニュラの体内は入り組んでいる。
一本道の処もあれば、細道で区切られた箇所もある。
シークエンスとて、全てを把握しているわけではない。
長く乗っていたほうが、当然内部にも詳しくなろう。
追いかけろと指示を受けた黒タイツ軍団は、最速最短で追いつける道を使ったに違いない。
後ろからも足音が聞こえてくる。
このままでは挟みうちにされる。絶体絶命だ。
黒タイツ軍団は強くない。強くないが耐久力が鬼のように高い。
そのように設定されているからだ。
彼らはシンクロイスではない。シンクロイスが創り出した道具だ。
己の手を汚さず、効率よく作業を進める為の。
表でゼネトロイガーと戦っている機体、あれもシンクロイスのお手製乗り物だ。
基本使い捨てなので宇宙空間での移動には使えないが、戦う分には適している。
「し、仕方ないわね……進、ぶちのめしなさい!」
「無茶言うな!一人で全員倒せるわけないだろ!?乃木坂さんだって守らなきゃいけないのにッ」
そうでなくても肉体労働系ではない木ノ下だ。
かといって頭脳労働系でもないのだが、所謂一般人で武道の心得など一切ない。
殴り合いの喧嘩をしたことだって一度もない。
人を殴ったのは、さっきの一撃が初めてだ。
「本当にもう、頼りがいないわね進って」
おまけにシークエンスには呆れられるわで、思わず木ノ下の声も裏返る。
「悪かったなぁっ!そんなに頼りがいがないなら、頼らなくて結構だ!!」
が、彼女の言葉には続きがあったようで。
「……でも、そんなとこもカワイイのよね、あなたって。仕方ないわ、特別に守ってあげる。あたしじゃなくて、鉄男がね!」
え?と木ノ下が尋ね返す前に、シークエンスの体に異変が起きる。
膨らんでいた胸が萎んでいき平らになったかと思えば、反対に股間が膨らみ骨格も逞しくなっていき、木ノ下の目の前で女だった生き物が男に変わっていく。
「うぇ」と小さく喘ぐ木ノ下に「何が、うえっだ」と仏頂面で応えたのは、女ではなく男の声。
顔も女、シークエンスではない。鉄男の顔が、そこにあった。
「え、いや、どういうトリックなんだ?それ」
おたつく木ノ下に「話は後だッ」と叫ぶや否や、鉄男が黒タイツ軍団の中へ躍り込む。
「ま、まてっ、まてまて鉄男!一人じゃ、さっきみたいにバテちまうって!!」
慌てて木ノ下は止めに入ったが、鉄男は聞いているのかいないのか。
いや、あれほどしつこく起き上がってきたはずの黒タイツ軍団が、今は鉄男のパンチ一発で次々に伸されていくではないか。
「え?ど、どうなってんだ?えっ?えっ?」
状況が飲み込めず、木ノ下は一人で狼狽えるばかり。
鉄男も自分の攻撃が効きすぎる事には違和感を覚えていたが、脳内で甲高い声が疑問に答える。
――道具はね!作り方さえ知っていれば、誰にだって調整出来るの!!
シークエンスの声だ。鉄男にしか聞こえない。
――あたしが弱めてあげるから、あんたはブチのめすことに集中しなさい!
道具とは何だ。察するに全身黒タイツ軍団が、そうなのか。
しかし考えている暇はない。
仲間が一撃で倒されようと全くお構いなしに、連中は次から次へと襲いかかってくる。
そいつを片っ端から殴り倒し、鉄男はチラリと木ノ下を盗み見た。
気絶した乃木坂をおぶって、呆然と立ちつくしている。
幸い、彼へ向かうタイツは一人もいない。
全員が自分に向かってくる。これも、道具だからなのか。
自分で考える脳を持つ、生命体ではないから?
――ほらほら、手元がお留守よ!?第二弾が追いつく前に全滅させなさいッ!
シークエンスに叱咤され、これまで防戦一方だった鉄男の動きが変わる。
自ら打って出ると、面白いように攻撃があたり、バタバタと黒タイツが倒れていった。
殴る瞬間、タイツどもの動きが止まる事に鉄男は気づく。
シークエンスの言う、調整の影響か。
軍団は三十余名ほどいたが、ものの数分で鉄男は全員K.Oする。
まさか一人で倒せるとは、自分でも思わなかった。
――さ、早く気絶しなさい。あたしと交替してよね、鉄男。
シークエンスが何か言うのは、さらっと無視して、鉄男は木ノ下に近づいた。
「俺を心配して、ついてきたそうだな」
「あ……いや、その……」
気まずさに、もじもじする木ノ下を真っ向から見つめ、鉄男が続ける。
「心配してくれたのは嬉しい。だが……木ノ下、お前まで捕まってしまっては意味がない」
「うん……軽率だったよ、ごめんな」
項垂れる木ノ下の手を握り、ほんの少し表情を緩めて鉄男は微笑んだ。
「だが乃木坂さんを助けたのは間違いなく木ノ下、お前の功績だ。俺が出来なかった事をやってのけてくれた……ありがとう」
途端に木ノ下には「うぐっ」と妙な声を出され、鉄男は怪訝に眉をひそめる。
褒めたのに、今の反応は何なのだ。
よくよく見てみれば、木ノ下は喜んでいるのであった。
乃木坂を足下に放り出し、しきりにテレている。
かと思うとキラキラと瞳を輝かせた木ノ下に、ぎゅっと抱きつかれて鉄男は目を丸くする。
「いや、まだ助けたとは言えないぜ。ここを完全に脱出してこそ助かったって言えるんだ!さぁ鉄男、急ごう。この先が出口だ」
よいしょっと乃木坂を背負い直す彼を突き、自分が乃木坂を背負ってやる。
先を走る木ノ下の背を追って、鉄男も走り出した。
――ちょっとー!進とラブラブするのは、あたしの特権でしょ!?さっさと気絶して交替しろっつーの!
脳内でシークエンスが喚いていたが、あえて鉄男は完全無視を決め込んだ。
どうせまた黒タイツ軍団に襲われたら、撃退するのは自分だ。交替する意味もない。
木ノ下も鉄男も、とにかく奥へ辿り着けば脱出できるものと思っていた。
そこに誤算があったのを、この時点では二人とも気づいていなかったのだ……

ヴェネッサの言う奥――最後尾までの道のりは、遠かった。
そこへ辿り着くまでに一度も黒タイツ軍団と遭遇しない、そんな都合の良い展開が起こりえるわけもなく。
一行は間もなく、「ギーッ!」と声を揃えて立ちふさがる、全身黒タイツ軍団に道を阻まれる格好となった。
「くそっ、さすがに容易く脱出とはいかないか!」
悪態をつきながら、報道組を守る位置で昴が身構える。
「待て、連中はしぶといぞ!戦闘は我々に任せろ」と突撃隊の隊長が言うのへは、メイラが鋭く突っ込む。
「でも、あなた達でも負けちゃったから捕まったんでしょ?勝てるの?」
「そうだぜ。それに、こいつら滅茶苦茶強いんだ。抵抗して、また痛い目にあうのはゴメンだよ」
レポーターは早くも泣き言のオンパレードだ。
一撃でのされたのは記憶に新しいのだから、無理もない。
タイツ軍団の背中越しに奥を見やると、この先は幾つかの細道に分かれているようだ。
ここでもし分散したら、軍団の意表を突くこともできるのでは?
そう考えた昴と隊長の目があい、どちらともなく頷いた。
無論、散開した後に合流できるかどうかの確率は低い。
しかし、ここでまとまって、また全員捕まるよりは――
何かを察したか、昴の耳元でヴェネッサが囁く。
「散開するのは最終手段に留めたほうがいいんじゃなくて?」
「でも――」
昴が何か言いかけるのと、別の声が割り込んできたのは、ほぼ同時で。
「いやっほーう!」
声は場違いにもテンション高く、黒タイツの背後に現れた。
後方で怯えるメイラ、そして昴とヴェネッサの耳にも聞き覚えのある声だ。
軽薄で、それでいながら安心感も抱ける声の主といったら、彼女達には一人しかいなかった。
「乃木坂教官!?」
三人娘が声を揃えるのには、乃木坂本人が手を振って応える。
「おう、頭脳派にして多少は荒事もこなせる色男、乃木坂勇一ここに見参だぜ!!」
キラーンと歯を光らせた直後、黒タイツの一人に殴られて「あうっ!」と大きく仰け反った。
ワンテンポ遅れて細道から走り出てきたのは、木ノ下と鉄男だ。
「の、乃木坂さん、一人で突っ走ったら危ないですよ!!鉄男の近くで戦わないと!」
「うるせぇ、お前らが遅すぎるんだよ!」
乃木坂もやり返し、すぐさま体勢を立て直してシュッシュとシャドーボクシング。
「おう、あんた達も加勢してくれ!辻の側で戦えば、こんな奴ら敵じゃねぇッ」
突撃隊と一緒に突入したはずの辻教官は何故か先に乃木坂教官と合流しており、ここには本来いないはずの木ノ下教官までいる。
唐突な展開に誰もが目を丸くしたが、昴の立ち直りは早かった。
「よし皆、よく判らないけど辻教官を囲む形でフォーメーションを組むんだ!」
「わ、判ったわ!」
「でも、辻教官は反対側にいるけど、どうやって囲むの?」
メイラの問いに答えたのは、昴じゃない。反対側にいた鉄男本人だ。
「俺が、そちらへ突っ込む!合流するぞ、そこを動くな!!」
「は、はいっ!」
勢いに気圧されて、メイラと昴、ヴェネッサまでもが声を揃えて返事する中。
「俺の生徒に勝手な指示すんなよ」
ぼやく乃木坂は、木ノ下に「けど、鉄男が動かないと倒せませんから」と突っ込まれ、さらに小さく愚痴垂れた。
「判ってるってんだよ。判ってるからこそ、余計に腹が立つんだってーの」


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