act21 Prologue
俺の親は最低だった。俺という可愛い一人息子を置いて、死んでしまったんだからな。
どうせ死ぬなら、遺産をいっぱい残してから死ねってんだ。
身寄りのなくなった俺を引き取ったのは、親父の弟だった。
こいつはいい。
なんたって、金持ちだからな。
こいつに死ぬまでくっついてりゃ、俺の生活も安泰だ。
そのうち、奴が仕事を回してきた。
奴の学校で働いてみたいと言ってみたんだが、何でも言ってみるもんだ。
しかも俺にピッタリな内容で、奴も判っているじゃないか。
俺は喜んで引き受けた。
まさか、今年になって来訪者どもに連続奇襲される危険地帯になるとは、あの頃の俺には予想もつかなかったのだ……