序章
いずことも知れぬ場所に集められた面々。目の前に置かれているのはパソコンだ。人数分用意されている。
「さてさて、諸君!本日集まってもらったのは、言うまでもないッ。というわけで省略!」
待て、オイ。
皆が声のしたほうへ突っ込むと、笹川は嬉しそうに「ノリツッコミせんきゅう☆」と、はしゃいでから本題に入る。
なんでも、自作MMORPGを作成したので皆にテストプレイして欲しいのだとか。
「ゲーム?興味ないね」といった声があちこちで上がる中、ニヤリと笹川が笑う。
「フフリ、このゲームを只の二次元だと思ったら大間違いでつよ?史上初、何でも出来るRPGでつ!」
「なんでも出来る?」
首を傾げる皆の前で笹川が得意げに言うことにゃ、生産、育成、戦争、戦闘は言うに及ばず、PKやエロエロモードも搭載しているらしい。
「なんだよ、ただのエロゲーじゃねぇか」
誰かが呆れる。
だが笹川も、そこで凹む相手ではない。
「ただのエロゲーじゃないでつよ?」
なんとNPCは勿論、PCにもPKならぬPEが仕掛けられるというのだ。
「ゲーム内アバターは本人ソックリに成形されるから、現実ではエッチ出来ない相手でも、一緒に遊べば……グフフ」
いやらしい含み笑いをしてから、笹川は仕切り直した。
「ま、それをやるかどうかはプレイヤーの皆さんに一任しますけどネッ。じゃ〜テストプレイ開始だよぉ〜」
――笹川の言葉が終わるか終わらないかのうちに、その場にいた全員の気が遠くなり、気がつけば――
彼らは、MMORPGのフィールドに立っていた。
ゲームのキャラクターとして。