キースとアリアのクリスマス
今年のクリスマスは、一味違う過ごし方をしようじゃないか。仲間内でクリスマスを祝うと、ろくな目に遭わんからな……
様々な祭りで試した結果、ナナたんだけを誘い出すのは不可能だと判った。
だから今年は違う相手と祝おうと思い、俺は町に繰り出した。
俺が所属している第九小隊の駐屯地を抜けた先に、ひなびた村があるんだが、いつも此処で食料を調達している。
だが、今日の目的は違うぜ。女を調達しに来たんだ。
巨乳なのは外せないとして、できれば性格は温和で物腰柔らか、可愛い子がいないもんか。
ぶらっと一周して、若い女がいないと判明し、帰ろうとした時だった。
「――すみません、あの。ここは何処なんでしょうか?」
若い女の声だ!
俺が振り向くと、そこには、あぁ、見事な巨乳が。
いや、そうじゃない。
可愛いお下げの女性が一人、戸惑いの表情を浮かべて立ち尽くしているじゃないか。
道行く人を捕まえては、場所確認している。
珍しいな。こんな奥地での迷子とは。
髪の毛は茶色と地味だが、見事なおっぱいだ。
あぁ、いや、そこばかりが目に入るわけじゃない。腰のくびれや、お尻の大きさも満点だ。
色白で、瞳の色は青。ふんわりと広がったスカートを履いている。
とりたてて珍しい外見じゃない。カワイコちゃんってだけだ。
だが、ここは何処だと尋ねているのが気になった。
まるで、ここまでの道のりを覚えていないような言い方じゃないか。
ただの迷子にしては様子がおかしいと踏んで、俺は声をかけてみた。
「どうしましたか、そこの人。何処かへ向かう予定がおありで?」
女性が俺に気付き、軽く会釈する。
「あの、おかしなことを尋ねるかもしれませんが……ここから中央国へ抜けるには、どこ経路が一番近道でしょうか?」
中央国?なんだ、そりゃ。
セルーンに、そんな国ないぞ。
そもそもセルーン自体が国だしな。
ってことは、だ。この女性はセルーン人ではないのか?
いやいや。いやいやいやいや。
セルーン人じゃない奴が、こんな奥地まで入り込んでいるとしたら、そっちのほうが大問題だ。
「中央国への道のりですか。そうですね、ご案内しましょうか?」
人当たりのよい笑みを浮かべる俺に、女性は嬉しそうに手を打ち、微笑んだ。
クックック。まんまと引っかかりやがって。
自分でいうのもなんだが、俺は初対面の異性にウケがいい。
ちょいと優しく微笑むだけで大抵の女は気を許してくれるんだから、ナンパなんぞは朝飯前だ。
「では、こちらへどうぞ。お嬢さん」
歩き出した俺の後を追いかけて、女性が名乗りを上げる。
「あ、私はアリア・ローランドと申します。あなたは?」
「そういえば名乗り遅れましたね、失礼。俺はキース=アライメンツと申します」
会釈で返し、森林方向へと誘導した。
中央国――
名前のニュアンスから考えるとワ国っぽいが、ワはワで一つの国だしなァ。
まぁいい。他国のスパイかどうか、必ず聞き出してやる。
道中、それとなく俺は話題をふってみる。
「アリアさんは、どうしてセルーンへおいでに?」
アリアは首を傾げ、「それが……よく覚えていないんです」と奇妙なことをいう。
「覚えていない、とは?」
「ここへ来るまでの道のりを、です。気がついたら、ここにいて……前後の記憶も全くなくて、途方に暮れていました」
俺は、じっと彼女の表情を伺う。
嘘をついているようには見えない。
本気で困っている。
しかし、前後の記憶なく知らない土地に突然出現するなんて、あり得るだろうか?
――ふと、俺の脳裏をアナゼリア大尉の顔がよぎり、あっとなった。
あの見事な巨乳をお持ちの大尉は近頃、召喚術にオネツだと、もっぱらの噂だ。
アリアは異世界から召喚されたんじゃないか?
だから前後の記憶なく、突然セルーンに出現してしまったのだ。
そうと考えればサイサンダラに存在しない中央国も、しっくりくる。
だが、まだ異世界人と決めつけるのは早い。
異世界人を装ったスパイというのも考えられるからな。
今のご時世、ちょこちょこ異国民がセルーンに密入国を繰り返しているとも風の噂に聞いている。
ワの流民が大半なんだが、クルズ人やイルミ人も全くいないとは限らない。
だいぶ前、密入国で捕まった異国民が広場で公開死刑されているのを、何度か見た記憶がある。
その中には巨乳のねーちゃんもいて、内心もったいないと思ったのは内緒だ。
俺に回してくれれば、毎日たっぷり可愛がってあげられたのにな。まぁ、異国民じゃ仕方ないか。
「そうですか……ここはセルーンでも奥地ですからね。戻るには山道を越えていかねばなりません。徒歩での移動になりますが、ゆっくり行きましょう」
「判りました。それまで、よろしくお願いします、キースさん」
アリアは微笑み、俺の横をついてくる。
流民なら、こんなにリラックスした笑顔は浮かべまい。
やはり異世界人の可能性が高い。
だが異世界人なら異世界人で、召喚された後、何故一人でうろついているのかは気になるな。
見張りがサボッて居眠りでもしているうちに、外に出てきちまったのか?
それならそれで、首都へ返すまでの間に楽しませてもらおうじゃないか。
俺達は今、中央国に行くという口実のもと、実際にはセルーンの首都へ向かっている。
何度も言うが、中央国なんてのはサイサンダラの何処を探してもない国だからな。
やがて山道に入り、傾斜で彼女が息切れしてきたのを横目に取り、疲れ果てて座り込む前に休憩を促した。
「きついですよね、この山道。ですが、もうしばらく進めば山小屋があります。そこで一休みしましょう」
「はい」と頷き、アリアが腕で額の汗をぬぐう。
「本当に、おかしいですね……こんな厳しい坂道を下りたり昇ったりしていれば、少しは覚えていそうなものですけれど」
それに、と不安げな目を俺に向けて、付け足した。
「セルーン……ですか?聞き覚えのない国です。アムタジアは、かなり歩きつくしたと思っていたのですが」
なるほど。
アムタジアという世界から来たのか。
向こうも俺達の世界と一緒で、国は限られた数しかないんだろう。
「そういえば、知っていますか?」
念のため、俺は最後のカマをかけてみた。
「何をですか?」
「ここ近年、クリスマスというお祭りが開かれるようになったのを。異世界発祥だという話ですが」
「クリスマス……いえ、存じ上げません。アムタジア全域で開かれているものですか?」
小首を傾げる彼女へ、質問で返してもみる。
「えぇ。サイサンダラ全域で、ね。ところで先ほどから連呼しているアムタジアとは、どこの国の町でしょうか」
アリアはキョトンとし、会話が途切れた。
しばらくして、彼女が発したのは「……サイサンダラ?」という疑問詞で、俺達は山道で見つめあう。
こうして間近に眺めてみると、ますますでっかいな。
「えぇと……中央国は、ご存じなのですよね?」
眉をひそめて彼女が確認を取ってくるので、俺はポーカーフェイスで答えてやった。
「えぇ、知っております。ワ国の別称でしょう?」
「違います!」と叫び、今更ながらに狼狽える。
「……あぁ、おかしいと思いました。中央国なら、どこであろうと平地を歩くはずなのに」
「どうしました」と、あくまでも素知らぬフリで肩を叩いてやると、アリアは涙ぐんだ瞳を向けて俺に助けを求めてきた。
「どうしましょう!わたし、私、あぁ、見知らぬ世界で迷子になってしまいました……」
ほぅ、異世界の知識がある世界なのか。彼女の故郷も。
なら話は早い。
戻る方法を知っていると見せかければ、簡単に騙せる。
「なるほど、あなたは異世界人だったのですか」
眼鏡をクイッと押し上げて、なるたけ賢そうに見える角度を保って俺はアリアを抱き寄せる。
手を握ってみたら、思いのほか柔らかくてスベスベしている。労働を知らない肌だ。
元の世界では村娘Aだったのかな。男も知らなさそうで、何よりだ。
「俺に任せてください。この世界には、よその世界から人を呼び寄せる魔法があるのです。あなたは、恐らく誰かの唱えた召喚術でサイサンダラへ呼び出されたのでしょう。ですが、なんと俺も、その魔法が使えるのです!」
「ま、魔法、ですか?それでアムタジアへ帰れるのですか!?お願いします、私をアムタジアへ送ってください!」
必死な姿も、涙が頬をつたって落ちるのも、おっぱいが揺れるのも絵になる子だ。
「判りました。では、山小屋に向かいましょう。そこで呪文をかけてあげます」
もっともらしく頷いて、俺は疲れ切ったアリアに背を向け促してやる。
「疲れたでしょう。おんぶします」
「え!いえ、そんな、悪いです。山小屋までなら、なんとか歩けます」と謙遜する彼女を「ですが、急いで帰りたいのでしょう?」と再度促して、なんとかオンブ完了だ。
思った通りだ。
おっぱいが背中にあたって、や〜らかい。
今の季節に登山しようなんて酔狂な輩は一人もいないから、山小屋は封鎖されている。
だが、軍人たる俺は気にしないで扉をこじ開け中に入ってしまうのさ。
「さぁ、そこのベッドで横におなりなさい。魔法は時間がかかります。俺が何をしても、大声をあげたり起きあがったり、反撃してはいけませんよ」
「は、反撃……?いえ、その、痛いのでしょうか、魔法とは」
怯えた目の彼女を粗末なベッドに横たわらせる。
二つのおまんじゅうは横たわっても、ビッグな大きさを保っている。
うむ、ずっと触りたいと思っていたのだが、やっと心置きなくおさわりタイムの始まりだ。
「痛くはありません。ですが、あなたの体に触れないと魔法が馴染まないのですよ……くすぐったくても暴れたりしないように」
念を押し、アリアが頷くのを見てから、俺はおもむろにムンズと掴んだ。
彼女の見事なおっぱいを。
「きゃあ!」と叫んだ彼女へ「静かに!集中が、乱れます」と、俺はさも難しい呪文を唱えているフリをして、丹念におっぱいをグニグニもみほぐす。
弾力があって、それでいて柔らかく、おっと、この先端に尖っているのはビーチクだな?ビーチクに違いあるまい。
人差し指と親指で、ちょいと摘まんだだけで、アリアは「や……だ、駄目です!」と起き上がろうとしてきたので、またも俺は声を鋭く「いけません、身を起こしたら失敗して二度と戻れませんよ!?」と叱ってやった。
「う、うぅ……すみません」
アリアは目に涙を浮かべて、それでも大人しく従っている。
チョロイもんだぜ。異世界を認識しているけど魔法は存在しないんだな、アムタジア。
この分なら、もっと思い切ったことが出来そうだ。
俺はズボンのチャックを引き下げ、アリアの上にまたがった。
急な重さに「え、ちょっと!?おっ、重たいです!」と驚く彼女のシャツをめくりあげ、柔らかなおっぱいの谷間に、いきりたったブツを挟み込む。
うおぉぉ、やったぜ、素人娘と初のパイズリができるたぁ。異世界人さまさまだ。
少し腰を動かすだけでも、おっぱいが当たって気持ちいい。癖になりそうだ。
「や、やだ、やめてください!これ、もう魔法じゃないですよね、全然違うことしてません!?」
ぎゃんぎゃん騒いでいるが、俺にマウントを取られているせいで、アリアは身動きできまい。
ダイレクトなチンチンアタックにより、ようやく騙されていると気づいたようだな。
だが、言ってしまえば見知らぬ男にホイホイついていく、お前も悪いんだぞ。
「こんないやらしいおっぱいをぶら下げて、その気にさせてきたお前が悪いんだぜアリアたん!」
「い、いやらしいって、好きで大きくなったわけじゃ……!」
涙目ながらも、きっちり反論してくるとは、意外と強気な女じゃないか。
生意気な女には、おしおきが必要だ。
「アリアたんのパイズリ、きんもちイィィ〜!」
俺は激しく腰を振って、これでもかってぐらいチンチンをアリアの谷間に擦りつけてやった。
唇にくっつくんじゃないかってほど、チンチンが彼女の顔に接近する。
「やめて、やめてくださいっ!いやぁ!!」
騒ぐだけでアリアは無力だ。
一応俺の腕をつかんで抵抗しているつもりなんだろうが、押しのけるほどの腕力ではない。
いくら異世界人といえども、そこは常識的な身体能力のようだ。
非力でおっぱいがでかくて可愛いだけの子を、なんで召喚したんだ?アナゼリア大尉も。
まぁ、もしかしたら召喚したのは大尉の命令じゃなくて、宮廷魔術師どもの趣味かもな。
「さぁアリアたん、しゃぶってくれよ、俺のロングレンジ砲を!」
ぐいぐいと頬に押しつけてやったら、溢れ出た涙が彼女の頬を伝う。
ククク、泣きぬれる女に無理やりしゃぶらせるというのは興がそそる光景じゃないか。
ナナたんには間違っても出来ないが、見知らぬ女にだったら遠慮なくやれる。
え?なんでナナたんだと無理なのか、って?
だって、ナナたんとは将来結婚する予定なんだぞ。マイハニーだぞ。
ナナたんを泣かすのは言語道断だ。俺は、ナナたんを幸せにしてやりたいんだ。
だが、アリア。お前は通りすがりの女なので、泣かしても心が全然痛まん。
むしろ萌えだ。興奮する。
「オラオラ、とっととしゃぶれよォ」
「う、うぅ……」
顔を背けようとするのは髪の毛を引っ張り、こちらを向かせる。
片手で頬を掴んで、唇をこじ開けた。
上手くいきゃあ、素人娘と初のフェラだ。
素人ではない女とは経験済みなんだが、素人は、なかなか手が出しにくくてな……
なお、ナナたんのフェラは新婚初夜まで取っておきたい。
ナナたんとのエッチは、俺の家ですると決めているんだ。
ぐっと唇の中にチンチンをねじ込もうとした瞬間、俺の眼窩に眩い光が差し込んだ。
「うぉっ!?」
そのまま俺は自分の体が何処か遠くに飛んでいくような感触を受けて、気を失った。
意識が戻ると、俺はベッドに体を固定されていた。
な、なんだ、これは。
首を持ち上げて周囲を見渡しても、先ほどまでの山小屋じゃない。
まさか、まさか、とは思うが……
どこからか、異臭が漂ってくる。獣のような鳴き声も聞こえた。
俺は音と匂いのする方向を睨み、そして――悲鳴をあげた。
悲鳴をあげて、助けが来るのを期待したのだ。
だが、どれだけ叫んでも助けは現れず、俺の口の中には山ほどの石炭が捻じ込まれて。
悪夢が、幕を開けた。