「友達の友達」の酒木 結菜が「合体戦隊ゼネトロイガー」に異世界トリップ!
気がつけば見知らぬ土地で、私は――私は、空からの爆撃に逃げまどっていた!
「ちょ、ちょっとぉ!何なのよ、これぇッ」
同じく逃げまどう人々に話しかけるが、誰も答えてくれる者はいない。
それもそうだろう、誰もが爆撃から逃げるので精一杯なのだから。
おまけに、誰かに背中を押されて眼鏡が地面に落ちてしまい、酒木結菜の視界は瞬く間に霧の世界と化す。
「やだ、やめてよ、こんな時に……」
こんな時にメガネメガネと探すのは、命の危機に他ならない。
だからといって眼鏡なしで逃げられるか?といえば、答えはノー。
足下だってぼやけて見えないのに、走れるわけがない。
「やだもう、サイテー!」
叫んだ時、ぐいっと腕を取られる。
「何をしている、こっちへ来い!」
「えっ、やだ、誰!?」
ぼやける視界で振り向けば、ぼんやりとした人影が叫んだ。
「誰でもいい、ついてこい!!」
低い声、男のものだ。
「えっ、でも、眼鏡が!」
「眼鏡なんか、あとで貸してやる!いいから早く来るんだ、シェルターに逃げ込むぞ」
力強く引っ張られ、オットットと、たたらを踏みながら、酒木は男についていった。
いや、連れて行かれた。
薄暗い部屋に通された後、酒木に眼鏡を渡した男は「しばらく、ここで待っていろ」と言い残し、何処かへ歩いていってしまった。
ようやく視界の戻った酒木は、周囲を見渡す。
薄暗い部屋だ。
エレベーターで、だいぶ地下まで降りた感覚がある。
先ほど男は、行き先をシェルターと呼んでいた。
ならば、ここは爆撃避難所か。
改めて酒木は考える。自分が何故、ここにいるのかを。
大学受験の手続きをしに、急いで走っていた。
曲がり角で誰かと衝突して、そこからの記憶がない。
――やだ、この歳で、もう健忘症!?
これが若年性アルツハイマーってやつかしら、などと酒木が悩んでいると、先ほどの声の主が戻ってきた。
短めの黒髪。背丈は酒木より、やや高いぐらいか。
「お前、名前は?住居プレートでもいい、確認の出来るものを渡してくれないか」
眉間に皺を寄せて睨みつけているが、笑えば、それなりにハンサムなのではないかと思わせる風貌だ。
咄嗟に酒木は頼んでいた。
「そんなことより、お名前を教えて下さいっ!」
「そんな事とは何だ!」と相手も怒り出し、彼女に詰め寄る。
「住居プレートないし名前確認は、シェルター入所において必須行為だというのを知らない訳じゃないだろう」
「そ、そんな怒らないでよぉ……酒木です、酒木、結菜」
しょんぼりと項垂れて酒木が名乗ると、男は一呼吸置いてから応えた。
「判った。今、住所録を確認してくる。ここを動くなよ」
「え、あ、ちょっと待って!」
走り出す男の腕を取ると、険悪な表情で振り向かれる。
「あ……だって、こんなところに一人で置き去りにされるのは」
戸惑う酒木に「置き去りにするつもりはない」とボソッと呟いた後、いかにも仕方ないな、と言いたそうな表情で彼はつけたした。
「いいだろう、ついてこい。大勢に囲まれた場所のほうが、万が一の逃げ場もなくなるだろうしな」
逃げ場?逃げるって、どこに逃げるというんだろう。
ここが避難場所ではないのか?
次から次へ沸いてくる疑問でいっぱいだったが、これ以上何か言って引き留めると、ますます男の機嫌も悪くなりそうだ。
酒木は大人しく、男の後を従った。
住所録への登録はおろか、酒木結菜に関する住居プレートが存在しない――
そうと発覚するまで、それほど時間は、かからなかった。
役人達に囲まれて有無を言わさず牢屋に入れかけられた酒木は、思わぬ人物に救われる。
なんと、彼女をシェルターへ連れてきた男が自ら、酒木の擁護に回ったのだ。
曰く、襲撃の最中、酒木は眼鏡を落として混乱していた。
その時に入国許可証を落としたのではないか。
住所録に登録がないのは、まだ入国して間もないからだろう?と男に聞かれ、思わず酒木は頷いていた。
何が何だか判らないにしても、このまま黙っていたら、牢屋行きを免れない雰囲気だったので。
役人達が向けてくる疑惑の目から逃れるようにして、男と二人、受付を抜け出した。
「しばらくは、俺と行動を共にしろ」と言った後、改めて男が自己紹介を始める。
「辻鉄男だ。傭兵学校で教官を勤めている」
「先生……なるほどねぇ」
キビキビした物言いは、先生だからか。
納得する酒木に近づくと、鉄男は小声で囁いた。
「入国して何日目だ?密入国者とみたが」
「密入……ッ」
つい声が大きくなり、慌ててくちを塞ぐ酒木を見て、鉄男は怪訝に眉をひそめる。
「違うのか?」
「密入国って、あなたねぇッ。あたしが、そんな犯罪を犯すように見えるんですか?」
「なら、何故肌身離さずプレートを身につけていないんだ」
「そ、それは……そのっ……」
プレートとは何なのか、住所録に名前がないから何だというのか。
ここまで来れば、酒木にだって判ってくるというもの。
不法滞在者としてお縄ちょうだい扱いを受けるのである。
「空襲のドサクサで無くしたのか」
「そ、そうよ……だ、だってしょうがないじゃないっ。いきなり爆弾が落ちてくるんですもの!」
驚いたのは、本当だ。
戦争のない時代に生まれた少女が、生まれて初めて空襲を体験したのだ。
耳に響く、乾いた落下音。近距離で巻き起こる爆風。
映像でしか見たことのなかった風景が間近で再現され、身のすくむ思いをした。
「空襲が初めて?その歳でか……珍しいな」
「珍しくて悪かったわね!」
逆ギレ気味に当たり散らしていると「鉄男、いたいた、探したぜぇ」などと言いながら、一人の青年が近づいてくる。
「木ノ下」
木ノ下と呼ばれた、ひょうきんな顔の青年は鉄男の側へ座り込むと「ま、お前が爆撃でやられるとは思っちゃいなかったけど!」と笑って、酒木へも視線を移す。
「この子は?」
「爆撃の最中に出会った。爆風の中で眼鏡を探していた。命よりも眼鏡が大事らしい」
鉄男の嫌味に、ついつい酒木の声も跳ね上がる。
「眼鏡がないと何も見えないんだから、仕方ないでしょ!?」
いきりたつ彼女を、まぁまぁと宥めると、木ノ下は鉄男と酒木の両方に言った。
「乃木坂さんが迎えに来ているぜ、表で車止めて待ってる。行こう」
乃木坂の運転する車に乗りこんだ酒木は、成り行きで傭兵学校『ラストワン』まで来る羽目に。
行く道すがら、乃木坂には洗いざらい質問され、当たり障りのない範囲だけを酒木も答えた。
……といっても乃木坂の興味は、ただ一つ。
酒木にカレシがいるのか、いないのか?に集中していたというのだから、それを聞かされ続けるほうは、たまったもんじゃない。
学校へ帰り着いた頃には木ノ下も鉄男も、ぐったりした様子で車を降りた。
「なんなら一晩といわず二晩三晩、泊まっていってもいいんだぜ。俺から学長に話をつけておくからさ」
乃木坂には気安くポンポンと肩を叩かれ、内心ムッとしながら酒木も笑顔で社交辞令を返す。
「いいえ、一晩だけで充分ありがたいです。明日には家へ帰ろうと思っています」
「そっか〜、残念だな。あ、そうだ。なんなら連絡先を教えてくれる?俺、君とは、これからも会って――」
なおも続くナンパを遮ったのは、鉄男だ。
仏頂面で二人の合間に割って入り、乃木坂を睨みつける。
「話より、車をしまうのが先ではありませんか?俺と木ノ下で彼女を学長室まで送ります」
「ンッだよ」と、たちまち乃木坂も気を悪くして、「そこは後輩のお前が車をしまう気遣いを見せろよな!」と一言吐き捨てると、それでも可愛い女の子の手前ということもあってか、素直に車を車庫へ走らせていった。
「……先輩だったんですか?」と酒木に尋ねられ、木ノ下が頷く。
「そ、あれでも四年勤務のベテランなんだぜ」
学舎に入ってすぐ、今度は巨漢に呼び止められる。
「おぉ、無事だったか、辻に木ノ下も。ん?その子は何だ、編入生か?」
「いや、鉄男が避難の時にナンパしてきたんスよ。なっ?鉄男」
何気ないつもりで飛ばしたジョークなんだろうが、鉄男は硬直して俯いてしまうし、酒木は顔も真っ赤に否定した。
「誰が誰にナンパされたっていうんですか!あたしはただ、助けてもらっただけですッ」
あまりの剣幕に木ノ下は勿論、巨漢もタジタジとなり。
「そんな怒ると思わなかったよ……ごめん、鉄男もゴメン」
謝る木ノ下へ、鉄男は二言三言ぼそぼそと呟き返した。
「……いい、気にするな」
そんな遣り取りを黙ってみていた酒木の背後に、そぉっと誰かが近づいて、気配に気づいた彼女が振り向くよりも前に、耳元で甲高い声が囁いた。
「ねっ、あの二人っていつも、ああなのよぉ〜?怪しいわよね、絶対」
「ひッ!?」となって酒木が振り向けば、そこに立っていたのは自分と同じぐらいの年頃の少女。
丸い眼鏡が丸顔に、とてもよく似合っている。
どこか自分と似た雰囲気を感じ、酒木は聞き返した。
「怪しいって、何が?」
「んも〜、決まっているじゃない。あの二人、私の考えだと絶対デキているのよ!」
自信満々に突拍子もない事を宣言され、酒木は今一度、木ノ下と鉄男の様子を観察する。
木ノ下が何か言っては、鉄男が低い声でボソボソと答える。
時折てれて俯く鉄男を木ノ下が茶化し、かと思えば、いやに気安く肩を抱き寄せて笑いあったりしている……
「その推理、ビンゴね!」
酒木は思わず親指を立て、そして背後を振り返って少女へニヤリと微笑んだ。
少女もニッコリ微笑むと、改めて名乗りをあげる。
「でしょ〜?あ、そうだ。自己紹介を忘れたね。私、遠埜メイラ!あなたは?転校生?」
「あ、いえ、単なる通りすがりの一般人というか……酒木結菜です」
「へぇ〜、結菜ちゃんっていうんだぁ。可愛い名前ね」
メイラは屈託なく笑い、酒木の顔を覗き込んでくる。
同性に名前を褒められたのは初めてで、酒木は少し照れくさくなった。
「そ、それで、もう、あの二人……キスぐらいはしたの?」
照れ隠しに腐女子な話題をふってみると、メイラは、さも不満げにクチを尖らせる。
「それがねぇ〜、まだなのよぉ〜。もう、歯がゆくて見てらんないっ」
という割にはクラスメイトや知らない女の子に妙な噂を吹き込んでいるんだから、本心では興味津々なんだろう。
鉄男と木ノ下が酒木の方へ歩いてきたので、メイラとの腐会話は打ち切られた。
「酒木さん、こちらは石倉剛助さん。俺と鉄男の先輩にあたる教官だよ」
「はじめまして」と巨漢に頭を下げられて、慌てて酒木もお辞儀を返す。
「は、はじめまして!」
それにしても乃木坂といい石倉といい、見事に男ばかりである。
この学校に女性の教官は、いないのだろうか?
男子校ならそれもありだろうが、さっきの女の子、メイラを見る限り、この学校が男子校ではない事だけは確かだ。
「うほっ……男だらけの教官室、ね」
ぼそっと呟く酒木に「ん?何か言ったか?」と木ノ下が尋ねてくる。
「いいえ〜、何も?」
酒木は営業用スマイルで誤魔化した。
「そっか、んじゃあ学長室に寄ってから、君を泊める部屋に案内するよ」
――その夜。
部屋に案内された酒木が大人しく寝ているはずもなく、メイラを伴い、二人は教官用の風呂場がある、その上の階のベランダにいた。
「ここからカメラを降ろして覗くと、よく見えるのよ〜」
そう言いながら、メイラが懐から縄のついた小型カメラを取り出す。
これって思いっきり犯罪じゃないの?と訝しみながらカメラを受け取ると、酒木は彼女へ囁いた。
「あなた、いつもこんな事をしているの?」
「いつもってわけじゃないんだけどぉ〜、たまにね☆それに、この穴場を見つけたのも私じゃないし」
「えっ?」
驚いた。彼女以外にも男の風呂場に興味をもつノゾキ生徒がいるというのか、この学校は。
「まどかちゃんなの、最初に見つけたのは。それで興味のある子は覗いちゃったりして」
「ふ、ふぅぅ〜ん……」と、さすがの酒木でも少々ドン引きだ。
だからといって、引き返して大人しく寝るのかといえば、そうでもなく。
カメラと連動したモニターをベランダに降ろし、ツマミを弄り始めたメイラの背後から、酒木もそぉっと覗き込む。
なんだかんだ言って、酒木も充分スケベな女子高校生であった。
「あ、来た来た。今日は木ノ下教官が一番風呂なのね〜」
湯けむりに霞むモニターの向こう側では、タオルも巻かんと堂々とした格好の木ノ下が入ってきた。
ネットの動画や画像では見慣れていても、先ほどまで話していた相手の裸を見るのは妙な気分だ。
「へぇ……左曲がりなのね」
それでも平常心を装って、ぼそりと感想を呟く酒木に、メイラもこくりと頷いてみせる。
「まさにバナナって感じでしょ?」
何の話だ。
『鉄男〜、早く来いよ!今日は俺達が一番乗りだぞ〜』
二人が勝手な感想を述べている間に、木ノ下が戸口へ向かって呼びかける。
「ほらほら、辻教官もきたわよ!あの二人、いつも一緒に入るのよねぇ〜。怪しいでしょ」
続いて入ってきた鉄男を見て、ごくりっと酒木の喉が鳴った。
小柄な印象のあった鉄男だが、服の下は意外や筋肉が締まっている。
気になる下半身はタオルで覆われ見えなかった。残念。
「こ、これから背中を流し合ったり、湯船でマッサージとかするのかしら?」
声の上擦る酒木へ、メイラが首を真横に振る。
「うぅん、いつも別々に体洗って好き勝手に湯船につかって、一方的に木ノ下教官がしゃべってあがるの」
なんだ、それじゃ普通に同僚同士の風呂光景じゃないか。
メイラの言う腐な展開になど、入れそうもない。
言っている側から木ノ下が腰掛けに座って体を洗う横では、鉄男がもそもそと頭を洗い始める。
昼間はキビキビしているように思えたのだが、夜の鉄男は、どこか周りの皆へ遠慮しているように見えた。
「あのタオル……取れないのかしら」
心の声丸出しな酒木へ、きょとんとした顔でメイラが言い返す。
「湯船に浸かる前には取るわよ?」
「マジ!? さ、サイズはどれくらい……」
ぐぐっと身を乗り出して、鼻息も荒く酒木が尋ねた時、「コラッ!!」と不意に背後から大声を出され、二人して飛び上がった。
「きゃあ!」
恐る恐る振り向けば、背の高い影――御劔と目があう。
昼間、学長室で出会ったイケメン学長だ。
快く酒木へ一晩の寝床を提供してくれたナイスガイは、今は眉間に皺を寄せて仁王立ちしていた。
「ベランダで何を騒いでいるかと思えば、風呂場のノゾキかね?感心しないな遠埜さん、それと、お嬢さん!」
「あ、い、いえ、これは、そのっ」
慌てる酒木の後ろでは、メイラがとんでもなく斜め上な言い訳を。
「だ、だって、このお客さんが辻教官の裸を見たい〜って言うからぁ」
「あっ、ひどい!木ノ下さんと辻さんの絡みが見たければ風呂場が一番って言ったの、あなたじゃない!」
「言ってないも〜ん、私はただ、木ノ下教官と辻教官の仲良しっぷりは日常でこそ発揮されるって言っただけで」
「言ったわよ!日常で最もリラックスできるのは風呂場をおいて他にないって、中指押っ立てて言ったのは誰!?」
醜い争いを始める腐女子には、学長も呆れ顔で仲裁に入る。
「君達、いい加減にしたまえ。今の時間を考えなさい。とにかく、そのカメラを――」
が、二人は全く聞いちゃおらず、喧嘩はさらにエスカレート。
「でも辻教官のオチンチンが見たいって言われたら、風呂場を案内するしかないじゃない!誘導されたのよ、私は」
「何が誘導よ、自分から言いだしといて!」
「じゃあ何?トイレが良かったの?この変態、変態ッ!」
「そ〜ゆ〜発想できる自分は棚上げ?変態って言う方が変態なんだから!!」
「うるさーい!変態、変態のくせに近寄らないでよ」
ついさっきまで仲良くしていたはずなのに、今は喧々囂々言い争っている。
挙げ句にメイラがバシッと酒木の体を押しのけ、弾みで酒木はベランダの手すりに寄りかかった。
「ひぃっ!?な、何するのよ、あ、危ないじゃない!」
手すりは低く、ちょっと身を乗り出しただけでも落ちそうだ。
落ちたら、ただでは済まない。
地上を見下ろしただけでも、視界がクラクラする。
「おい、やめろ!やめなさい遠埜さん、お客さんが落ちたらどうする!」
「こんな人、泊めてあげる必要ないんだから!」
すっかりメイラは癇癪を起こし、すっくと立ち上がると、つり下げたカメラもそのままに、酒木の横を乱暴に走り抜ける。
「どいてよっ!」
その勢いに押され、酒木の体が手すりの上を乗り越えた。
「ひ――ひぃぃぃ〜〜〜〜っっ!!」
「さ、酒木さーーーん!!」
学長の声が追いかけ、後は、ごうごうと風の唸りで何も聞こえない。
風で目が開けられない。
落ちていく、どんどん落ちていく。
やがて地面に叩きつけられて、死ぬんだ。
も う 駄 目 だ
『次は〜終点〜終点〜。お降りの際には、お忘れ物などないよう、ご注意下さい』
――ハッと身を起こしてみれば、見慣れた電車の風景が目に入る。
呆然と、酒木は周囲を見渡した。
私、建物から落ちたはずなのに……電車に、乗っている?
終点の駅で降り、酒木は電車を振り返る。さっきまでの記憶は、一体何だったんだろう?
夢、にしては妙に生々しかった。落下の際に聞いた風切る音は、今も耳に残っているように思えた。
「……あぁ、それにしても!見たかったなぁ〜、辻教官のオチンチンッ」
周囲に誰もいないことを確認してから酒木は思いっきり叫ぶと、家までの道を走って帰っていった。