13周年記念企画:BAD DREAM

颯斗編

第三話 最後の意識

『あ、起きたニャ!気分はどうニャ?』
目覚めると、俺を覗き込む少女の顔があった。
少々吊り目で生意気そうにも見えるが、そこがいい。
『もうちょっとでラングリット様の車に轢かれるとこだったニャ。なんで道路のど真ん中で寝てたのニャ?危ないニャ』
次々質問してくるのを手で遮ると、俺は逆に尋ねる。
「さぁな、そいつは俺にも判らん。それより教えてくれ、ここは何処だ?」
『ここ?ここはラングリット様のおうちなのニャ!』
嬉々として答える少女。
いや、そうじゃなくて俺が聞きたかったのは……
「おう、目が覚めたのか」
ドアを開けて、巨漢が入ってくる。
途端に目を輝かせて、少女が巨漢に敬礼のポーズを取った。
『ラングリット様、こいつの世話はパーシェルがしますのニャ。留守はパーシェルにお任せなのニャ、お仕事遅れちゃいますのニャ』
「あぁ、判っている」
ちらっと俺の顔色を一瞥し、大丈夫だと判断したのだろう。
巨漢は再び部屋を出て行き、語尾がニャの少女と俺だけが残された。
改めて、俺は不思議な言葉遣いの少女を見やる。
ずいぶんと、ほっそりした子だ。
細い手足は体にフィットした黒服で覆われている。
髪の毛が二カ所逆立っていて、まるで猫の耳のようだ。
『なんニャ?パーシェルの顔になにかついているかニャ』
彼女が話すたびに、耳元で鈴の形をしたイヤリングが、りん、と鳴った。
「いや、可愛いなと思ってさ」
俺はとっておきのイケメンスマイルで彼女へ微笑む。
パーシェルはポッともモジモジもしないで、平然と切り返してくる。
『ありがとニャ。お前も可愛いのニャ』
か、可愛い?
可愛いなんて言われたのは、初めてだ。
しかも自分より年下であろう女の子に。
『名前、教えろニャ?パーシェルはパーシェルニャ』
「あ、あぁ……颯斗だ」
『颯斗、覚えたのニャ。颯斗、颯斗、颯斗……』
何度も俺の名前を繰り返し、パーシェルはニパッと笑う。
『颯斗、よろしくニャ。仲良くするニャ♪』
手を差し出してくる彼女は、警戒心の欠片もない。
いくら俺がイケメンとはいえ、男と二人っきりなんだ。
少しは意識してくれよ。
だが、これはチャンスともいえる。
これだけ男性への警戒心が薄い少女なら、ヤッちまえるかもしれない……グフフ。
エッチな行為だと気取られないように自然を装って、な。
俺はパーシェルの右手を恭しく受け取ると、チュッと口づけた。
『ニャッ!?ニャにすんのニャ、汚いニャ!』
びっくりして手を引っ込めようとするパーシェルを、そのままベッドに押し倒す。
『ニャニすんのニャ、重たいニャ!』
じたじた暴れる彼女の片腕を右手で押さえつけると、俺はパーシェルの耳元で囁いた。
「ごめんねパーシェル、これは俺の国での挨拶なんだ」
『ニャ、くすぐったいニャ〜』
「さっきの口づけもね……俺の国では、まず手の甲に口づけた後」
ピチピチな黒服をめくりあげると、ブラジャーも何もつけていないオッパイが表れる。
うほほ、柔らかそうな白い肌だ。
「乳首を吸って」
先端のピンク色を、ちゅぅっと吸い上げる。
『ニャァァッ!?』
ぶるっと震えて、パーシェルが目を閉じた。
『へ、へんニャ感じ……へんニャ感じニャのぉ〜』
己の身に起きた異変に、理性が追いついていないようにも窺えた。
こんな風にオッパイをチュウチュウされるのは、生まれて初めてなんだろう。
ということは、だ。
先ほどのラングリット様は、パーシェルにエロい行為をやらせたりしていないのか。
勿体ない。少女と同居していて何も手出ししないなんて、超勿体ない!
俺は、そろりと手を伸ばし、スカートの中にも手を差し入れる。
太ももに触れた瞬間、パーシェルが激しく身じろぎした。
『ニャ、ニャア、駄目ニャ、くすぐったいのニャ……!』
左手でスベスベな太ももの感触を楽しみつつ、俺は乳首に歯を立てる。
『ウニャンッ』と変な喘ぎをあげて、パーシェルが俺を見た。
両目に涙を滲ませて。
『も、もうやめるニャァ、いい加減にしニャいと、ぶっ殺すニャ』
ぶっ殺すとは穏やかじゃないニャンコちゃんだぜ。
俺は聞く耳を持たず、太ももをなぞりあげるとパンティの奥へ指を突っ込んだ。
そこは既に熱くなっていて、ちょっとかき回しただけでも、いやらしい水音がした。
『ミャ、ミャァウッ!ニャアァァ〜ッ』
身をよじって逃れようとしているが、こちとらマウントポジションで押さえつけているのだ。
そう簡単に逃がしやしない。
『や、やニャァ、ラングリット様、怖いニャ、助けて、助けてニャァ……』
ラングリット様は会社だろ?
つまり、お前を助けに来る奴は誰もいないってこった。
諦めるんだな、子猫ちゃん。
俺は耳元にふぅっと息を吹きかけると、顔を背ける彼女へ囁いた。
「まだだよ、パーシェル。俺の国の挨拶が、まだ終わっていない」
『ニャア、挨拶長いニャ、しつこいニャ〜!』
何をされているのか判っていなくても、俺にされて嫌だという感情はあるらしい。
片手で俺を押しのけようとしているのが無駄な抵抗で可愛いぜ。
咥えていた乳首を解放し、彼女の上で馬乗りになってスカートを捲りあげる。
『ニャ……』
俺がおっかぶさっていないので、解放されたとパーシェルは思ったようだ。
小さく安堵の溜息をもらす。
だが、それも一瞬で。
次の瞬間には俺にパンティをベロベロなめ回されて、再び悲鳴をあげるハメに。
『ニャアァァ、へんニャ感じになっちゃうニャアァ』
なめ回す合間、時折顔をあげては、意地悪く彼女を煽る。
「いいぜ、変な感じになってみろよ!もっと可愛い声をあげろよ!」
『ニャア、嫌ニャ、こんなの嫌ニャ〜』
股を無理矢理開かせると、俺の唾と熱い汁で濡れまくったパンティを引きずり下ろす。
『ニャ!!』
両手で隠される前に、俺が彼女の股間へしゃぶりつく。
『ウニャアァンッ!』
パーシェルは体を弓なりに反らせて、ビクビクと痙攣した。
「どうだい、こんな快感初めてだろ……?」
『ニャ、ニャフゥン、フニャァ』
瞳を潤ませていた物は、今や大粒の涙となってパーシェルの頬を濡らしている。
感じすぎて涙が出たのか、或いは嫌がりすぎて泣いてしまったのか。
どっちもだろう。
彼女の頬は上気していた。
ただ嫌がっていたのなら、こんなふうに赤くなったりしないはずだ。
「もっと気持ちいいことしてやるぜ」
『あ、挨拶まだ終わらないのニャ……?』
「あぁ、これで最後だ。君のピンクで美しいココに」と、俺は彼女の未使用な膣を指でツンツンする。
『ミャウッ』と股を閉じようとするのは両手で制し、俺は顔をアソコに近づけた。
雌の匂いがプンプンする。ここから先はラングリット様も踏み入れた事のない花園だ。
「俺のマグナムをォォッ、ぶち込むゥゥゥッ!!」
ズボンのチャックを降ろすのももどかしく、俺は片手で己のズボンへ手をかける。
いきり立ったブツを取り出した瞬間、後頭部を高熱の何かで押されたような気がして――

――俺の意識は、ぶっつり途切れた。

『にゃあ、ニャアァ。ありがとニャ、アーシュラ』
『フン。貴様の身を案じてラングリットが我を此処へよこしたのだ。ありがたく思え』
『ありがたく思ってるニャ、アーシュラはパーシェルにとって命の恩人ニャ』
『人間臭い言葉を吐くな』
そんな言葉が、俺の耳に届いてくる。
俺は、どうなっちまったんだ。
意識はあるのに、体が動かない。
自分が何処にいるのかも、はっきりしない。
後ろから殴られたはずだから、ベッドの上に横たわっているはずだ。
そう思い、ベッドを見た俺は唖然となった。
ベッドの上はドス黒い血にまみれ、その上に俺らしき体が横たわっているではないか。
その体には、頭がついていなかった。
……なんだこりゃ!?
もしかして、俺はまた死んでしまったのか!
不意に俺の意識の中で、何かが熱を帯びてくる。
熱い、何かを考えるのも苦痛なほどの熱さだ。
『なんだと!?』とベッドの上の俺を見て、紫色の髪をした男が驚いている。
側にはパーシェルの姿もあった。
『ニャ!生き返るのニャ、ゾンビーニャ!』
見れば首なしと化した俺の体に、頭が再生しようとしている。
自分で見ても気持ち悪い光景だ。
パーシェルの言うとおり、俺はゾンビなんだろうか。
やがて意識は体へ吸い込まれ、俺はむくりと起き上がった。
『ゾンビめ、死ね!』
だが何かしようとする暇も弁解する余地さえも、紫色の男は与えてくれず。
俺は再び頭を熱光線みたいなもので吹っ飛ばされ、意識が途絶えた。


気がついたら、また例の場所へ来ていた。
目の前に降り立ったのは、白い衣の老人。
「おぉ、颯斗よ。ループにハマッてしまうとは何事だ」
何事だって言われてもな。文句は紫のあいつに言ってくれ。
「残念!おぬしの第二の人生は、ここで終わってしまった」
そう言うと、老人が手にしていた杖を俺の頭上へ振りかざす。
待ってくれ、俺はまだやり残したことが!と思ったのが、最後の

BAD END

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