KISS

作品概要

この作品の試み:最初から最後まで一人による一人称形式
この作品の見所:主人公が自分を認める部分
面白くなってくる話数:一話でも飛ばすと意味がわからなくなる仕組みでさぁ


作中キスする描写がないのにタイトルがキスとは、これ如何に。
まぁ別に、そういう色っぽい話じゃないですので……
これは鬱病っぽい主人公が初恋に目覚めて、自分自身と向き合う話です。

ストーリー解説

act1:いきなりのネガティブな独白から始まる第一話。吾輩は猫ならぬ屑である。最初の頃のツトムは就職できないせいで自分がクズ・オブ・クズだと思い込んでいます。差別について熱く語っていた奴が、実は貴族領出身だったなんて、酷いジョークでしょう?

act2:サダが思ったよりもイケメンだったのでホの字になってしまったツトムは、勢いで良い居場所をホームレスの彼に提供。コミュ障なのに、よく頑張った。サダ経由でノンベを知って、ノンベに良くない印象を受けるツトム。もう、この時点でノンベとの相性悪いフラグが立っていたんだなぁ。

act3:本編「Limited」の話題をチラリ。まぁ民間人には関係のない内容ですし、適合者の素質があるか否かと言われたら全員ないですね(笑)ノンベは実際ツトムのことをどう思っているかってーと、いつまでも就職できない甘ったれ坊やだと思っています。

act4:ツトムの脳内では滅茶苦茶聖人君子に祭り上げられているサダですが、そこまで善人でもなくスラムでは負け犬だった過去。サダはノンベに過去、強姦を受けており、そのせいでサダはノンベが内心嫌いです。気が弱いのと優しいのとで、はっきり言い出せませんけれど。

ifハロウィン:ジャンルBLに相応しく攻め手のサダが乗り気な、お色気を盛り込んだお話。ぶっちゃけサダがキャラ崩壊していますが、ifなのでセーフ!ツトムは、いつものツトムです。進行が三人称なのは、一人称にしてしまうと見えないものがあったから。

if転生:最初から最後までツトムしか出てこない、作者ですら得しないif短編。ドラクエの勇者はアレ、なんであんな説明で納得して魔王退治に出ちゃうんだ。初期軍資金、少なすぎるだろ。いつ城へ行っても王座にいる王様は勇者が来ていない普段なにをしているのか、とても気になります。

登場人物解説

猫塚 努:拙宅代表鬱病キャラ。本作の主人公。平凡に生きて、それなりに友達はいたけど、友達は大体就職できているから飲み会や同窓会で話すネタがなくて全員疎遠になった。全四話で、ちょっぴり前向きになれたのは、サダのおかげです。彼がいなかったら、永遠に親へのコンプレックスと自己嫌悪から抜け出せなかったでしょう。

サダ(堤 剛充):ゆくゆくはツトムの親友ポジに収まる予定の聞き手役。過去を尋ねられて動揺してしまったのは、過去の情けない負け犬ロードやノンベとの間で起きた事故をツトムに知られたくなかったから。でも自分が言わなきゃいいだけだと気づいて冷静になった。結局背中を見られて負け犬面はバレましたけどォ!

ノンベ(富岡 喜義):親の失敗のせいで一般領へ島流れになった己の不幸を、政治批判と下位身分生まれにぶつけておきます。ぶつけた結果がサダ強姦なわけですが、この件は墓の下まで持っていく黒歴史。酒代は公園の使用代から出ていますし、通信費も以下同文。公園みかじめ摂取は、もちろん非合法ですので、誰かに訴えられたらスラム領落ちする危険な商売だよ!