ある薬師の物語

概要
小さな世界カ・ター・クリコ。その世界に住むものは、全て何かしらの役割が生まれつき与えられていた。薬師のシェンフェンは、今日も皆の為に薬を作る。いつか、お隣のユェンシゥンに美味しいお茶を御馳走する為に……?
作品詳細
読み:ある・くすしの・ものがたり
形式:小説形式
連載開始時期:22/05/20〜22/08/03
年齢指定:全年齢
ジャンル:異世界ファンタジー / ほのぼの / 日常 / 同性愛(BL)
世界観:カ・ター・クリコ
完結・全8話
カ・ター・クリコの基本概念
街一つで完結した小さな亜空間。街に名前はなく、住民は「街」と認識している。
全ての住民は一つの役割を持ち、役割以外の行動を取ると処分されてしまう。
全住民の管理を担当する役割の者がいて、それが世界を支配している。
技術は皆無に等しい。
住民は全て、自分の能力で役割を果たす。
何かしらのトラブルで役割を終えた者が出ると、ストックと交換される仕組み。
前代とストックに血の繋がりはないのだが、たまに前代を親だと誤認する者もいる。
親子の概念は、外へ続く扉からきた坏人の発言が発祥とされる。
宇宙
宇宙の概念は存在しない。
異世界
「外へ続く扉」と称される異世界の概念が、一つだけ存在する。
ただし、その扉は滅多なことでは開けない。
よって此方側からの行き来は通常不可能、異世界側からのコンタクトは可能。
異種族
異種族の概念は存在しない。
恋愛
性別の認識が薄い為、同性愛と異性愛の区別もない。
交通
移動は全て徒歩。
乗り物は坑内で運用されるトロッコのみ。
単位
通貨:ゼル
ゼルの数が多いほど高い。
全ての物資は購入側の善意で価格が決まる。
種族
原住民は「人」と呼ばれる種族。
外へ続く扉からやってきた坏人は異世界人であり、机器人は、その異世界人が作成したロボット。
DTRとはディティレェン、机器人につけられた名前の略称。
職業
天爺
全住民を創造する役割。一人しか存在しない。
亜空間カ・ター・クリコの管理者でもあり、その存在は住民に秘匿とされる。

冠士
全住民を管理する役割。一人しか存在しない。
住民に役割を振り分けるのが、主な仕事。

役人
消滅した者をストックと交換する役割。

衛士
平穏を乱す者を討伐する役割。見回りも行っている。
手足の切れ味は鋭く、刃物であり鈍器でもある。

掘師
発掘所で資材や物資を掘り出す役割。

運人
運搬する役割。人々の他に物資も運ぶ。
足が車輪になっており、移動速度は随一。

商人
発掘所で得られた物資を取引する役割。
主に食料を売っており、家から離れられない薬師の命綱。

茶焙師
茶葉を栽培し、取引する役割。
外皮に茶葉が生えており、出荷時は摘み取る。

薬師
薬を作成して売る役割。茶葉と混ぜて作るのが流行。
体液が薬であり、全住民の健康を維持または修正させる。

給仕
茶を売る役割であったが、皆が茶を飲まなくなったので消滅した。

坏人
正しくは最初の坏人の残滓、コピーであり職業ではない。
ありとあらゆる悪さを働く存在。
型番
全職業に割り振られた細かい分別。いわゆる住民ナンバー。
陽-月-空-風-星-鳥-地-種-兎-青-茶-黄
型番は生まれ落ちた時に采配され、一生変わることはない。
同じ型番でも職業によって特徴が異なる。

<共通特徴>
陽:熱量(近くにいられるだけで暑い)
月:美しい容姿
空:飛行能力
風:素早い動き
星:睡眠時間が長い
鳥:会話速度が速い
地:動きが緩慢
種:全ての能力が平均的
兎:兎の耳、永遠の命
青:青白い肌、長寿
茶:浅黒い肌、長寿
黄:眩しい肌、長寿
季節
季節は存在しない。常に一定の温度と気候が保たれている。
創作こぼれ話 ある薬師の人物名は全員中華っぽいのをイメージしています。あくまでも「っぽい」のであって、実際の中華名とは多少異なりますが。

<カ・ター・クリコへ来た最初の坏人の末路>
普通に扉を抜けて元の世界へ戻りました。
彼は、ふわっとしたきっかけで異世界へ紛れ込んでしまっただけなんです。
ンマー入ってきた場所は判っているんですから、帰るのも簡単ですよね(笑)

<シェンフェンの工房に茶葉が残されていた本当の理由>
次の役割のために残していたわけではなく、使う前にラェイシェンが無に還ってしまっただけ。
全部お隣のグァイユェンが悪い\(^o^)/

<性別は、あくまでも個体の器>
カ・ター・クリコに同性愛という概念はないので、男同士でも女同士でも愛は発生しますし、それがおかしいということもないんですが、あくまでも同じ役割同士である場合に限りの愛成立。大事なのは役割です、性別ではなく。