DOUBLE DRAGON LEGEND

第二話 真意はどこに


西大陸へ渡った坂井と葵野、及び該とタンタンの四人。
中央国の傭兵になりたいという葵野の願いは、人の話を聞かない坂井の元に一蹴された。
「強引すぎるよ……」
ぶつぶつ文句を言いつつも、素直に葵野はついてくる。
こいつから素直さを取ったら何も残らないな、と思いながら坂井が振り返った。
「まぁ、そうブツブツ言うなよ。砂漠都市についたら何か買ってやるから」
「俺は子供じゃない」
ご機嫌を取るつもりで、そう言ったのだが、ぷいっとふてくされ、葵野は横を向いてしまった。
妙なところで素直じゃない。子供っぽい。
坂井と葵野は南下して砂漠都市へと向かう。
該達とは港で別れた。
彼らは北上して、西大陸の首都サンクリストシュアへ向かうという。
別れ際、該の交わした会話が坂井の脳裏に浮かぶ。
「俺達は首都へ向かう」「じゃあね〜」
ぶんぶんと手を振るタンタン、歩き去ろうとする該を呼び止めたのは、葵野だった。
「あ……あの、もし伝説のMSと出会ったとしても、迂闊に戦わないよう気をつけて欲しいんだ」
何故そんなことを言い出すのか。
訝しむ該へ、坂井がフォローを入れる。
「白き翼と死神を倒すのは俺達の使命なんでな。お前に奪われるわけにゃいかねぇのよ」
「彼らを倒すのが使命?一体、伝説のMSに何されたの?」
尋ねてくるタンタンを無視して、坂井は真っ向から該と睨み合う。
先に目を逸らしたのは、該が先であった。
「……安心しろ。俺達は無駄な戦いを好まん」
無視されたタンタンも胸を張り、笑顔でVサイン。
「そぉだよ〜。あたし達は愛と平和のサーカス団、ラブ&ピースなんだから♪」
「そうか……なら、いいけど」
どこかホッとした葵野を横目に、坂井も頷いた。
「絶対だぞ。先に戦ったりしたら、俺がテメェらをブチのめしに行くからな!」
「さ、坂井!!」
慌てて窘める葵野を背に、該は歩き出す。
タンタンも去っていき、坂井は改めて葵野を見た。
「さ、俺達も行くか。とっとと砂漠都市を見物して、さっさと帰んねぇとな」
「その前に、死神MSが本当にいるかどうかも調べなきゃダメだろ」
なんと、気弱な葵野に注意されるとは。
坂井は驚いて、彼をマジマジと見つめる。
視線に気づいて、葵野も坂井を見つめ返した。
「……なんだよ?」
「い、いっやぁ〜。さすがは小神龍!俺が忘れていたことを覚えていたとはッ」
慌てて茶化してごまかすと、葵野は気を悪くしたように早足で歩き出す。
「あまり馬鹿にするなよ。これでも一応、記憶力ぐらいはあるんだ」
なんとかごまかせたようだが、代わりに彼の機嫌を損ねてしまった。
今度はそれのフォローをすべく坂井も慌てて葵野を追いかけ、追い越した。


西大陸の首都、サンクリストシュア。
治めているのはサリア・クルトクルニア王女であり、この国は常に平和主義を謳ってきた。
いつ如何なる時でもMS軍隊を所持せず、戦争を起こさない。
武器の所持も認めておらず、軍人や傭兵の入国は一切認められなかった。
その国で最近、MSや傭兵の姿を頻繁に見かけることが多くなったという。
噂話だ。
とはいえ、火のないところに煙は立たず。人の噂にあがる原因もあろう。
該とタンタンは、それを調べるべく首都へ入国した。
「もっと厳密なチェックがあるかと思っていたのに、簡単に入れちゃったねぇ?」
入口を通りすぎたあたりで、タンタンが該を振り返る。
コクリと無言で頷きを返し、該は周囲を素早く見渡した。
街並みに異常はない。
綺麗な歩道が続き、商人や街の人々が行き交う平和な情景だ。
物々しい装備に身を固めた傭兵やMSらしき気配は、自分達の他には感じられない。
俺達をMSと見抜けなかったのか?
そう考えてみても、入国時のチェックの甘さには納得がいかない。
ノーチェックと言っていいほど、ぞんざいだった。
門の前で立っていた係員は、ほとんどこちらを見てもいなかった。
「まずは酒場で情報チェーック!でも、する?」
上目遣いに見上げてくるタンタンを軽くスルーし、該はスタスタと歩き出す。
「あ、ちょっと待ってよぉ!」
彼女は、また慌てて追いかけなくてはならなくなった。
二人の姿が酒場へ消えると同時に、物陰から一組の人影が姿を現わす。
一人は恐ろしく髪の長い女性だ。
足首ほどまで、桃色の髪を垂らしている。
切れ長の目が該の背を追い、閉まる酒場の戸を見つめて止まった。
「今の二人……MSか?」
思いがけぬほどハスキーな声で、隣の女性へと尋ねた。
隣の女性、これは対照的に背が小さく空色の髪の毛を二つに縛っている。
幼さを残した顔とは裏腹に、彼女も低い声で答えた。
「恐らく」
「一応、トレイダー様にも連絡を入れておくか」
桃髪の女性は懐から通信機を取り出し、空色の髪の少女は油断なく周囲を見渡す。
一言、二言、通信で遣り取りを行った後。
「ゆくぞ」
女性に促され少女は無言で頷き、該達の入っていった酒場へと消えた。

通りの奥に控える、立派な御殿。サンクリストシュア王宮――
執事パーカーに通され、白服に身を包んだ青年は一礼する。
黒髪に黒い瞳。精悍な顔つきの青年であった。
「顔を。もう少し近寄って、顔をよく見せて下さい。白き翼、総葦司よ」
透き通る声に、彼は顔をあげた。
目の前に立つのは、この国の女王サリア。
女神の再来とまで謳われた、絶世の美少女。
彼女が幼子の時代には、共に遊んだこともある。
ほんの一時の間だけ――だが。
司は長い時を生きる、伝説のMS『白き翼』であった。
何百年も何千年も若いまま同じ姿を保ち、一般人には持たざる能力を持つMS。
ある日、ふらりと司はサンクリストシュアを離れ、このたび彼女に呼び戻されるまで方々の街を渡り歩いていた。
「お久しぶりです、サリア女王」
会釈しながら、司は思う。
MSである自分を彼女が呼び戻した真意とは、一体何なのかと。
「サリア女王だなんて……他人行儀な。昔のようにサリアと呼んで下さい」
どこか寂しげに彼女は微笑み、世間話へシフトする前に司はマッタをかける。
「無駄話に時間を割くつもりはありません。女王、僕を呼び戻した理由をお教え願いたい」
慇懃無礼な態度には、執事も女王も怒るでもなく寂しく微笑むばかり。
実は、と前置きしてサリアが話し出す。
「わたくしの元へ、先日、東の国からの使者が現れたのです。宣戦布告をしに」
彼らは中央王国の使者だと名乗り、西大陸と真っ向戦争を挑んできた。
目的は武力による世界統一。
「ですが、わたくし達は、あくまでも平和主義国家としての意思を貫き通さねばなりません。パーカーは裏で傭兵達を募っているようですけれど……それは間違ったやり方であると、わたくしは考えているのです」
視線を向けられても執事は動じたりせず、鉄仮面を通す。
司も彼を一瞥し、サリアを促す。
「それで?結論として、貴女は何を望むのです。……いえ、」
まっすぐで曇りのない瞳が、彼女を捉えた。
「貴女は、どういうやり方であれば満足するというのですか?武装しなければ、戦う力のない庶民は殺される。貴女は民に、黙って死ねとおっしゃるのか」
刺々しい言い分に女王は少し怯んだものの、応えた。
「それは……言葉で話し合えば、わたくし、わかり合えるものと信じております」
双方の視線がかち合う。
司は少し微笑み、サリアも、おずおずと微笑みかける。
だが、すぐに彼は笑顔を消して、女王の言い分を一刀のもとに切り捨てた。
「戦場へ出たことのない者の意見ですね。宣戦布告をしてくるような輩が話し合いで片を付けるとは、僕には到底思えません」
「でも」
彼女は悲しげに呟いた。
「わたくしには、話し合うことしか出来ませんから……」
「それで」
聞こえなかったふりをして、司は話を元に戻す。
「僕を呼び戻した理由とは何ですか?貴女のボディガードにでも雇うおつもりですか」
辛辣な言葉に、サリアは傷ついた顔で司を見つめた。
しばらく無言で見つめ合っていただろうか。
やがて、女王はポツリと言った。
「詳しい話は、パーカーからお聞き下さい……あなたを呼び戻したのは、わたくしではありません。彼が、あなたの力を借りたいと」
「わかりました。では、僕は宿舎へ参ります。何か用があれば、そちらへご連絡を」
無駄話など一切する気がない、とでも言いたげに司は踵を返す。
一部の隙もない彼の態度に、サリアは心の中で歯がみした。

――もう、ツカサの馬鹿。
どうして、わたくしの気持ちに気づいて下さらないのかしら!

幼い頃から彼一人だけに想いを寄せてきた。
なのに、司はいつも一つ壁を隔てた態度ばかりで……


同刻。
ウィンキーとミリティアの二人は、砂漠の少年王より熱心に首都の話を聞かされていた。
首都サンクリストシュアが平和主義国家なのは、誰もが知る事実。
砂漠都市も、その教えにいたく感動して、代々首都を援助しているのだそうだ。
「先王も、その前の先代も援助しておりますの?それでよく、経済危機に陥りませんこと」
ミリティアの呟きに、少年王キュノデアイスはキョトンとして小首を傾げる。
「え?どういう意味ですか」
頭の後ろで手を組んだウィンキーが、代わりに答えた。
「オレ、知っとんで。首都サンクリストシュアはMSを迫害しよってんのやろ?」
「迫害だなんて!」
少し言葉を荒げた後、王は落ち着いて言い直す。
「迫害しているわけではありませんよ、ウィンキー。サリア女王は傭兵を必要としていらっしゃらないだけです。平和主義者ですからね」
必要としていないということは、やはり差別しているのでは?
ミリティアは、そう思ったのだが、言わないでおくことにした。
下手なことを言って、後ろに控える騎士アモスに睨まれても面白くない。
「平和主義ねぇ。ホンマに、そんなもん実現できる思うとんのかいや」
目の前では、両手をあげてお手上げポーズを取るウィンキーに王が力説している。
「僕は素晴らしい理想だと思っています!武器を取らずに話し合いで交渉する。それこそが、人類が取ることのできる最も賢い選択ではないでしょうか!?」
「あ、イヤ、お前を疑うとんのやないで?それだけは、勘違いすんなや」
キュノデアイスの瞳に光るものを見つけ、ウィンキーは慌てて弁解した。
ただし、心の中は猜疑心でいっぱいだ。
王にではなく、首都を治める女王へ向けての猜疑心だ。
不意に、今まで黙って立っていたアモスが会話に混ざってくる。
「ところで――お前達は知っているか?白き翼の噂を」
「え?」
突然すぎる話題にウィンキーもミリティアも、そして王も目が点になった。
ややあって、ミリティアが何とか会話についていく。
「白き翼のことならば、知っておりますけれど……噂、とは?」
だが傍らで「白き翼?なーんや、それっ」と相棒が無知を呟き、彼女はキッとウィンキーを睨んだ。
「どうして、あなたがご存じないのかしら?白き翼といえば伝承にも残る神MS。背中に翼を持つ、白い犬のMSですわよ。御伽噺を読んだことは、なくて?」
「あいにくと、勉強の時間は毎回ぐっすり眠っとったんや。悪いのぅ」
興味なさそうにヒラヒラ手を振るウィンキーを横目に、むっつりとアモスが答えた。
「その白き翼が首都にいるという噂を聞いた。単なる噂話であれば良いのだが……」
「MSが?しかし、女王はMSを退けているはずではありませんの?」
ミリティアが驚愕するのへ、キュノデアイスは悲しげに首を振る。
「僕達は白き翼が悪しきMSだとは思っていません。しかし……首都は平和主義の国。女王は彼が自国に滞在している事に対して、どう思っていらっしゃるのか……」
平和主義であるはずの首都までもがMSを持つことになったとすれば、この世に平和な国は一つもなくなってしまうのではないか。
少年王の懸念は、全てそこに集中するのだろう。
アモスも、それを心配しているようだ。
「白き翼の名は総葦司というそうだ。黒髪に黒い瞳、白服を着た青年だ。見覚えはないか?」
アモスの問いに、ウィンキーもミリティアも首を横に振る。
「その名前ですと、今は東大陸に住んでいらっしゃるようですわね」
「オレら、ずっと西におったからなぁ。東のことは、ようわからんわ」
「そう……ですか。人となりが判れば、対処のしようもあるかと思ったんですが」
がっかりする少年王にウィンクを飛ばすと、ウィンキーは陽気に言い放つ。
「なぁ〜に。わからんかったら、実際に調べに行ってみりゃ〜えぇねん!」
「ですが、僕は国を空けるわけにもいきませんし……」
渋る王へミリティアも言った。何故か偉そうに腕を組んだ格好で見下ろしながら。
「あら、こういう時、リーダーはどっしり構えているものですわよ?王様。偵察へは、私とウィンキーが行って参りますわ」
言うが早いかウィンキーはひらりと身を翻し、ミリティアも優雅に戸口へ歩いてゆく。
「え!?ちょ、ちょっと待って下さい、ウィンキー、ミリティア!」
王が止めるのにも聞く耳を持たず、二人は悠然と出ていってしまった。
しばらく、ぽかんと二人の背中を見送ってしまった少年王は、やがて肩を竦めると、背後に控えるアモスへ低く尋ねた。
「……MS部隊は、いつ戻る?」
声をひそめて、アモスも答える。
「現在は砂漠を南下中。あと四日で、こちらに到着の予定です」
「そうか……」
王は小さく溜息をつき、呟いた。
「それまでに戦争が起こらないと、よいのだけど」


ウィンキー達が出ていった後、入れ違い気味に坂井と葵野のコンビが砂漠都市へ到着する。
道を行商が行き交い、表通りには物売りの声が響く街並みを歩きながら、坂井が尋ねてよこす。
「この一見平和な街が、本当にMSを集めて東に攻めてくると思うか?」
賑やかな街並みに目をとられていた葵野は、坂井へ振り向くと首を傾げた。
「さぁ?」
「まぁ、いい。判る場所に行けばいいだけの話だ」
答えは期待していなかったようで、坂井はずんずんと王宮へ歩いていく。
「王宮に何が?っていうか、入れないだろ……普通は」
早足の坂井に併せて葵野も早足になる。
彼の杞憂とは裏腹に、二人は一発でゲートを通過できた。
堂々とMSを名乗る坂井に門兵曰く「今は物騒な状況だから一人でも戦力が欲しい」とのこと。
西でも戦争の気配を感じ取っていたのだろうか。
或いは、西のほうから攻めていくつもりなのかも――
「あの、あなた方は、もしかして傭兵の方ですか?」
広い王宮を散歩がてら歩き回っていると、背後から呼び止められる。
坂井と葵野が振り向けば、そこにいたのは小柄な少年。
しかしながら、ただの少年ではない。
若くして王位を継いだ、砂漠都市の王キュノデアイスだ。
「王に直接会えるたぁ都合がいい」
「え?」と尋ね返す王を真っ向から、ふてぶてしく睨みつけて坂井は尋ねた。
「おい、戦争が始まりそうな噂は聞いてるな?」
葵野が無礼なくちを窘めるよりも早く、後方から「無礼者!」と怒鳴り声が飛んでくる。
しかし、坂井はそちらを見ようともせずに王へ問いかけ続けた。
「噂によれば砂漠都市はMS部隊ってのを飼ってるらしいじゃねぇか?」
そんな噂、初耳だ。
だが「えぇっ!?」と驚いたのは葵野だけで、王も後方の騎士も平然としている。
砂漠都市にはMS部隊がいる、というのは坂井の妄想ではないようだ。
「……どこで、その噂を?」
「どこだっていいだろうが。その部隊で東を攻めようって腹か?」
「違います!」
即座に王が否定する。
坂井は憎たらしい笑顔を浮かべたまま、尚も尋ねた。
「違うという証拠は?」
「しょ、証拠……?」
あるものをあると証明するのは簡単だ。
だが、ないものをあると証明するのは困難を極める。
坂井は、それを判っていて、あえて王に尋ねた。
都市を統一する王が相手だからこそ、王ならば万人に納得できる答えを導き出せるはずだ。
しかし少年王は、坂井の期待を裏切った。
彼はただ、感情に任せて怒鳴ったのだ。
「証拠はありません。ですが!僕達は東を攻める気など毛頭ありませんッ」
「それを決めるのは、お前じゃねぇ。お前の言葉が本当かどうかは、俺が決める」
「坂井ッ!」
「貴様、何をするつもりだ!?」
外野が騒ぐのを一瞥してから、坂井はキュノデアイスに向き直った。
「お前も王なら戦う力ぐらい持ってんだろ?勝負だ。お前の無実と俺の正義をかけて!」
唐突な申し入れに、驚いたのは王だけではない。
相棒の葵野だって仰天した。
「何いってるんだ?お前の正義と王様の無実をかけて勝負?俺達は争いしにきたわけじゃ」
「砂漠都市を守る漢の強さ、とくと見せて貰おうか!」
取りすがる葵野を振り切り、坂井が王に殴りかかる。
間一髪、唸りを上げた拳の一撃は騎士が受け止めた。
後方で控えていた屈強な大男だ。
「王は戦わぬ!どうしても戦いを挑むというのであれば、俺が相手になろう!!」
ぎりぎりと力の攻防を続けた後、不意に坂井が力を緩めて飛びずさる。
「テメェの名前は?」
「アモス・デンドー」
「いいだろ、アモス。俺は坂井達吉、誰が相手だろうと手加減はしてやれねぇ。表に出ろ。国民の前で、お前らの無実を証明しようじゃねぇか」
まるで悪人みたいなことを言い放つと、坂井は葵野が止めるのも聞かず表に出ていった。
「……何考えてるんだよぅ……」
呆然と佇む葵野へ不憫なものを見る目をちらっと向けた後、アモスも出ていき、王の側へは葵野が取り残される。
葵野は、おずおずとキュノデアイスへ目を向け、そろそろと頭を下げた。
「あ……あの、すみません。あいつ、いつもは、ああいう奴じゃないんですが」
少年王は寂しげに微笑むと、こちらも頭を下げた。
「いいのです。僕達が、きちんと無実を証明できないのが、彼の不信感を買ったのでしょう」
これも何かの裁きなのかもしれません――
呟く彼の横顔を見て葵野は確信した。
西には、東を攻める意志などないのだということを。
坂井を止めなければならない。
無意味な戦いこそは、葵野の最も嫌う行為であったから。

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